【小規模事業者持続化補助金】2024年度も継続!2023年度からの変更点はある?採択率は?
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小規模事業者の販路開拓や生産性向上に関する取組を支援する補助金制度である「小規模事業者持続化補助金」。機械装置の購入や広報費、ウェブサイトの開発・更新等、幅広く利用でき、補助率は2/3、補助額は最大250万円の補助金です。
小規模事業者にとって挑戦しやすく、非常に人気の高い補助金ですので、2024年度も継続となることが発表されたことは朗報ですね!
当記事では、小規模事業者持続化補助金とは具体的にどのような補助金なのか、概要と活用事例をご紹介するとともに、2024年度に変更点はあるのか、気になる採択率はどのくらいなのかをお伝えします!
目次
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が持続的な経営に向けた経営計画を作成し、販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。
働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度の導入等の制度変更に対応するために、経費の一部を補助することで小規模事業者の生産性向上と持続的発展を図ることを目的としています。
補助金対象の「小規模事業者」とは
「小規模事業者」とは、具体的には下記に該当する法人、個人事業、特定非営利活動法人が対象となります。
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) |
常時使用する従業員の数 5人以下 |
宿泊業・娯楽業 |
常時使用する従業員の数 20人以下 |
製造業その他 |
常時使用する従業員の数 20人以下 |
常時使用する従業員には、会社役員、個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者、派遣社員は含みません。
また、下記5点すべての要件を満たすことが必要です。
①資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
②直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
③商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること。
④持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択を受けて、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を、原則本補助金の申請までに受領されたものであること。
⑤「卒業枠」で採択され事業を実施した事業者ではないこと。
補助率は2/3、補助上限額は最大250万円
小規模事業者持続化補助金には5つの応募枠があります。
類型 |
概要 |
補助率 |
補助上限 |
|
通常枠 |
小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、販路開拓等の取組を支援 |
2/3 |
50万円 |
|
特別枠 |
賃金 引上げ枠 |
販路開拓の取組に加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上である小規模事業者 |
2/3(赤字事業者は3/4) |
200万円 |
卒業枠 |
販路開拓の取組に加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者 |
2/3 |
||
後継者 支援枠 |
販路開拓の取組に加え、アトツギ甲子園においてファイナリスト又は準ファイナリストに選ばれた小規模事業者 |
|||
創業枠 |
産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け販路開拓に取り組む、過去3か年の間に開業した小規模事業者 |
さらに、インボイス特例の要件を満たしている場合は、上記補助上限額に50万円が上乗せされるので、補助上限額は最大250万円になります。
インボイス特例の適用要件とは
インボイス特例は、要件を満たせば各応募枠に一律50万円の補助上限額が上乗せされます。
その要件とは、下記2つのいずれかに該当し、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者であることです。
・2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった、または、免税事業者であることが見込まれる事業者
・2023年10月1日以降に創業した事業者
ただし、補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合は、交付決定後であっても、特例は適用されません。また、過去に「小規模事業者持続化補助金<一般型>」において「インボイス枠」で採択を受け、補助事業を実施した事業者は、申請対象外となります。
補助対象となる経費は?
小規模事業者持続化補助金には、下記11項目の対象経費があります。
(第14回小規模事業者持続化補助金の内容です。)
補助対象経費科目 |
活用事例 |
①機械装置等費 |
補助事業の遂行に必要な製造装置の購入等 |
②広報費 |
新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等 |
③ウェブサイト関連費 |
ウェブサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用に係る経費 |
④展示会等出展費 |
展示会・商談会の出展料等 |
⑤旅費 |
販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費 |
⑥新商品開発費 |
新商品の試作品開発等に伴う経費 |
⑦資料購入費 |
補助事業に関連する資料・図書の購入費用等 |
⑧雑役務費 |
補助事業のために臨時的に雇用したアルバイト・派遣社員に係る費用 |
⑨借料 |
機器・設備等のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの) |
⑩設備処分費 |
新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等 |
⑪委託・外注費 |
店舗改装など自社では実施困難な業務を第三者に依頼(契約必須) |
ただし、例えば下記のようなものは対象外となります。
・汎用性が高く、目的外使用になりえるもの(車・オートバイ・自転車・文房具・パソコン等)
・10万円を超える支払いを現金で行ったもの(※銀行振込が原則です)
・クレジットカード払い等で、補助事業実施期限を過ぎて口座から引き落とされたもの
・税込100万円を超える支払いや、中古品の購入で、2者以上からの見積を取得していないもの
・オークションによる購入品
【ウェブサイト関連費における注意点】
ウェブサイト関連費において、注意すべき点は下記3点です。
①ウェブに関連する経費はすべてウェブサイト関連費として計上すること
②ウェブサイト関連費は単独では申請できないこと
③補助金総額の1/4(最大50万円)が上限であること
例えば、リスティング広告等のウェブ広告は、「広報費」ではなく「ウェブサイト関連費」として申請することになります。ただし、「ウェブサイト関連費」のみでは申請できないため、必ず他の経費とともに申請する必要があります。
さらに、補助金総額の1/4(最大50万円まで)という上限が定められています。
ウェブサイト関連費を補助上限額で申請するには、下記の通りの内訳で申請することになります。
【ウェブサイト関連費を含み、補助上限額にて申請する場合】
応募枠 |
ウェブサイト関連費 |
それ以外の経費合計 |
補助金申請額 |
通常枠 |
125,000円 |
375,000円 |
500,000円 |
特別枠 (インボイス特例なし) |
500,000円 |
1,500,000円 |
2,000,000円 |
特別枠 (インボイス特例あり) |
500,000円 |
2,000,000円 |
2,500,000円 |
ウェブサイト関連費をメインとして申請を検討されている事業者の皆様はご注意ください。
小規模事業者持続化補助金の採択率は?
補助金といえば、採択率がどの程度なのかが気になりますよね。
過去の小規模事業者持続化補助金の採択率はこのように推移していました。
※発表された応募者数、採択数を基に作成
募集回によって異なりますが、最近は60%前後で推移しています。事業再構築補助金やものづくり補助金と比較すると、全体的に少し高めの印象です。
2024年度の変更点はある?
2024年度の小規模事業者持続化補助金ですが、5つの応募枠、補助上限額、補助率、インボイス特例も2023年度継続が発表されており、大きな変更点は無さそうです。
ただし、応募回ごとに細かい変更点が発生する可能性はありますので、公募要領が発表されたら必ず目を通すことをお勧めします。
応募に関することではありませんが、2024年度の小規模事業者持続化補助金には「事業終了後1年で販路開拓につながった事業者の割合を80%以上」という成果目標が新たに設定されました。
具体的にどのように活用できる?活用事例を紹介!
具体的に、小規模事業者持続化補助金はどのように活用できるのでしょうか。「ミラサポplus」に掲載されている活用事例をいくつかご紹介します。
①ケーキ店
ケーキやクッキー等に写真や絵を印刷できる「可食プリンター」を導入し、クリスマスケーキなどの注文が増えたことで新規顧客の獲得および業績向上につながった。
②理髪店
「移動式リクライニングチェア」と「移動式シャンプーユニット」を導入し、散髪に行くことが困難な在宅介護者のニーズに対応できる出張利用サービスを開始した。また、出張利用サービスに関する事業案内パンフレットの作成・配布を行った。
③写真館
新たに開始した写真撮影プランのPRのために、新聞折込チラシの実施と屋外壁面に特大ポスターパネルを設置した。認知度向上により、客単価が20~30%向上した。
④農家
販路開拓のためにロゴ制作などのリブランディングを行い、物産展に出展したことで取引先の開拓に成功した。
⑤畳店
新しい畳素材を使った福祉用具畳を開発した。商品の認知度向上のため、パンフレット制作と展示会に出展した。
⑥酒造店
インバウンド旅行者へPRするために、英語版パンフレットとホームページを作成し、海外展示会に出展した。
詳細は「ミラサポplus」に詳しく書いてありますので、ぜひご覧ください。
事例から学ぶ「持続化補助金」 | 経済産業省 中小企業庁 (mirasapo-plus.go.jp)
まとめ
小規模事業者持続化補助金は、補助上限額は比較的少額ですが対象経費が多岐に渡り、小規模事業者にとって利用しやすい補助金です。
比較的採択率が高めであることも嬉しいポイントですね。
2024年度も継続が決定し、インボイス特例を含む内容にも大きな変更点はなさそうです。上手に活用して業績の向上につなげていきましょう!
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。