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【ものづくり補助金 】社員が「役員のみ」の場合の最適な申請方法は?

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ものづくり補助金とは、「中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・施策品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金」です。この記事では、申請する企業の社員構成が「代表取締役と役員のみ」の場合の申請方法と加点獲得方法の有無をご紹介します。賃上げに対する考え方は?大幅賃上げに係る補助上限引上の特例は使える?事業場内最低賃金の加点項目はどうなる?といった疑問にお答え致します。

補助金の中身の概要については、別途ご紹介している下記の記事をご参考下さい。

【ものづくり補助金2023】14次以降の傾向と特徴とは?2022年との違いを解説!

では、内容に入ります。

役員は「従業員ではない」ので、「最低賃金」という概念が無い

労働基準法で、役員は「労働者(従業員)ではない」と定義づけされています。賃金とは労働者に対する概念であるため、役員には「最低賃金という概念が存在しない」ということになります。違う言い方をすると、役員は雇用する側、従業員は雇用される側であり立場が全く異なるということです。ものづくり補助金の公募要項(16次締め切り分)のP.12には「事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、 毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とすること」という基本要件が設定されています。となると、役員のみでは申請ができないのでは?と考えてしまいそうですが、結論としては申請可能です。申請時に従業員がいないケースでの申請方法が選択できますのでご安心下さい。

 

申請は「給与支給総額の増加」「付加価値額の増加」で対応する

役員には賃金という概念がありませんが、「給与」という概念には該当します。基本要件の中には最低賃金の要件とは別に「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加」させるという給与支給総額に関する要件と、「事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加」させるという付加価値額の増加に関する要件があります。この2つの要件は役員のみの事業者様の場合でも基準を満たすことができますので、事業計画書に盛り込む収支計画の内容が、最低賃金を除くその2つの基準を満たしていれば申請は可能ということになります。

 

<特例申請枠>大幅な賃上げに係る補助上限引上の特例は使えない

ものづくり補助金には様々な申請枠があり、その中に<大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例(公募要項P.18参照)>という枠が存在します。この枠の概要は、①基本要件以上に給与支給総額を上げることと、②基本要件以上に最低賃金を増額させること、この2点をクリアすれば補助上限額を引き上げるというものですが、残念ながら既述の通り②の部分が役員のみの事業者様では活用できない為、その場合はこの特例申請枠は活用できません。

 

加点項目の「賃上げ加点」の取り扱いはどうなる?

ものづくり補助金の審査においては、様々な加点項目が存在します。加点項目が多いほど採択の可能性が高まるとされており、その中の「賃上げ加点」を活用する事業者様も多いのですが、残念ながらこちらも同様に、賃金とは労働者(従業員)に対する概念であり、役員のみの事業者の場合は、加点は狙えないということになります。(役員の年収を時給換算して対応するという方法がネット上で見受けられますが、15次締め切り分で申請したお客様が事務局へ問い合わせたところ、「その方法は認められない」と回答を受けており、少なくとも2023年7月時点では、この方法は活用できませんでした。今後に関しては、応募要項の内容修正もありえますので、実際の申請時のタイミングで事務局へご確認ください。)

 

申請時はゼロでも、従業員を途中で雇用した際には効力発揮する?

結論から言いますと、常時使用する従業員がいない場合は、賃上げ加点は受けることができません(申告できません)。補助金の申請時に添付する「賃上げ計画の誓約書」の仕組み上、申請の時点で常時使用する従業員がいない場合は、加点項目の選択ができない仕様になっています。なので、途中で従業員を雇用し、そこからの賃上げ計画を事業計画に盛り込んだとしても、加点を申告する材料にはならないということになります。あるとすれば、「雇用の促進」という点での評価です。経済産業省は毎年「中小企業白書」を公表しています。中小企業の経営者にとって羅針盤に近いものですが、その中で雇用に関する部分に触れています。

具体的には2023年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要の中で、【総論⑲】中小企業・小規模事業者の動向(地域の包摂的成長)において、「特に、地方の中堅・中核企業は雇用などの面で地方経済の中心的役割を担い、こうした企業に おいて持続的に高い利益を生み出し、若者・女性が活躍できる雇用を創出することは重要」と示しています。つまり日本経済の発展において「雇用の促進」は引き続き重要なテーマであり、事業計画が雇用を増やす(従業員を雇う)収支計画なのかどうかは、大切な論点になると考えています。

よって申請時には従業員がいなかったとしても、事業計画の中でしっかりと雇用計画(最低賃金や賃上げの度合を設定)を盛り込めていれば、そうでない場合と比べて少なくとも「印象的にはプラスに働く」のでは、と考えています。ですが採択欲しさに無理な計画を組むのは本末転倒ですので、そのような目的で、実現が難しい無理な収益計画を検討される事業者様へは当社としては計画の見直しを進言しています。あくまで市場性を見極めて、客観的に合理性が認められる事業計画を策定する中で、雇用が必然となるのであれば、しっかりとそのことを計画書の中に文言として落とし込んでいく、そこが大切なポイントとなります。

 

まとめ

今回は、社員が「役員のみ」の場合の、ものづくり補助金の申請方法について解説しました。当社、アクセルパートナーズは、ものづくり補助金について100社以上の支援、採択された実績がございます。応募申請だけでなく、その先の交付申請、実績報告といった手続きのサポートまで、サービスメニューをご用意しております。 

これまで多数、ご支援させていただいたノウハウをもとに、お客様の状況に合わせたサポートを提供いたします。 

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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