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【ものづくり補助金】採択率は?難易度について解説!

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ものづくり補助金は正式名称を「ものづくり・商業・サービス補助金」と言い、よく「もの補助」と略されることの多い国の補助金です。

生産性を向上させるための設備投資等をする中小企業者等が広く対象となるため非常に人気のある補助金ですが、気になるのはやなりその採択率ではないでしょうか?

今回はものづくり補助金採択率について、推移や直近の締切におけるデータをもとに傾向を解説していきたいと思います。

ものづくり補助金の概要

ものづくり補助金の難易度を理解するために、まずものづくり補助金の概要を知っておきましょう!

 

ものづくり補助金とは?

中小企業が「経営革新」のための設備投資等に使える補助上限額750万円~5,000万円で、補助率は1/2もしくは2/3の補助金です。

(※補助上限額や補助率は申請される枠・類型や従業員の人数によって異なります。)

ものづくり補助事業公式ホームページで公開されている、ものづくり補助金第16次締切公募要領の概要版には経営革新の類型として以下が定められています。

 

A1:新商品(試作品)開発

  例)避難所向け水循環型シャワーを開発

A2:新たな生産方式の導入

  例)作業進捗を「見える化」する生産管理シ ステムを導入

B1:新役務(サービス)開発

  例)仮想通貨の取引システムを構築

B2:新たな提供方式の導入

  例)従業員のスキルに応じて顧客をマッチングするシステムを導入

 

このように広く経営革新に活用できる便利な補助金です。

 

どのような申請枠がある?

ものづくり補助金では以下の申請類型が用意され、様々なメニューで生産性向上を目指す取り組みが対象となっています。

 

  • 通常枠
  • 回復型賃上げ・雇用拡大枠
  • デジタル枠
  • グリーン枠
  • グローバル市場開拓枠

 

それぞれの申請枠の概要を見ていきましょう。

 

【通常枠】

革新的な製品・サービス開発又は⽣産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援する申請枠です。

活用例:

・複数形状の餃⼦を製造可能な餃⼦全⾃動製造機を開発

・「⾷べられるクッキー⽣地のコーヒーカップ」の製造機械を新たに導⼊

 

補助上限:750 ~ 1,250万円

補助率:1/2、 2/3(小規模・ 再生事業者)

 

【回復型賃上げ・雇用拡大枠】

業況が厳しい事業者が賃上げ・雇用拡大に取り組むための革新的な製品・サービス開発又は⽣産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援する申請枠です。(※前年度の事業年度の課税所得がゼロである事業者に限る。)

 

補助上限:750 ~ 1,250万円

補助率:2/3

 

【デジタル枠】

DXに資する革新的な製品・サービス開発又は⽣産プロセス・サービス提供方法の改善 による⽣産性向上に必要な設備・システム投資等を支援する申請枠です。

活用例:

・属人的な作業を省力化するため、顧客・受注・作業員を一体的に管理するシステムを導⼊

・AIを導⼊した高精度な⾃律移動式無人搬送ロボットの試作開発

 

補助上限:750 ~ 1,250万円

補助率:2/3

 

【グリーン枠】

温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、革新的な製品・サービス開発又は炭素⽣産性向上を伴う⽣産プロセス・サービス提供方法の改善による⽣産性向上に必要な設備・システム投資等を支援する申請枠です。

活用例:

・炭素⽣産性向上が図れる製造装置を導⼊しつつ、従来から製造していた部品の高品質化

・「エコマテリアル」素材を導⼊し、環境負荷が少ないクリーンな製品の試作開発

補助上限(グリーン枠は申請の類型により補助上限額が異なります):

750 ~ 1,250万円(エントリー)

1,000 ~2,000万円(スタンダード)

2,000~4,000万円(アドバンス)

補助率:2/3

 

【グローバル市場開拓枠】

海外事業の拡大等を目的とした設備投資等を支援。海外市場開拓(JAPANブランド)類型では、海外展開に係るブランディング・プロモーション等に係る経費も支援する申請枠です。

活用例:

・海外市場獲得を目的とした新製品開発のため、製造機械の導⼊や展示会への出展

・日本に来日する外国人をターゲットとした予約システムの開発

 

補助上限:3,000万円

補助率:1/2、2/3(小規模 事業者)

 

 

申請の際の要件について

各申請枠では以下の基本要件を満たした上で申請枠別の追加要件に該当する必要があります。

○基本要件<以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定することが必要>

・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加

・事業計画期間において、事業場内最低賃金を、 毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする。

・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加

(申請枠別の追加要件については最新の公募要領をご確認ください。)

 

申請及び採択状況のデータ 

それでは難易度に関するデータを見ていきましょう!

採択率の推移

ものづくり補助金総合サイトにあるデータポータルページ(https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html)には本記事執筆時点で第14次締切分までの推移のデータが示されています。

【申請件数の推移】

データで示されている直近回第14次締切では採択率が50.7%とやや落ち込みました。これは直前の第12次・第13次と比較し、第14次締切回の申請件数自体が約1,500件以上増加したことも一因であると考えられます。ただし、第8回以降50%台後半で推移していたことを考えると、同じく大型の補助金である事業再構築補助金の採択率(大体30 – 40%台で推移)と比べて比較的採択されやすいと考えることができます。

 

【申請枠別の採択率 ※第14次締切】

ものづくり補助金総合サイト上でデータが公開されている最新回である第14次締切における申請枠別の採択率は上記の通りです。

全体の採択率は50.8%ですが、申請枠ごとに若干のバラつきがあることが見てとれます。

総合的な採択率は50.8%ですが、デジタル枠やグリーン枠はそれぞれ56.1%と55%と高い採択率だった一方で、グローバル市場開拓枠が35.3%と、採択率という観点で申請枠ごとに難易度に差が出てきています。

 

その他データの考察

ものづくり補助金をはじめとする各種補助金は、申請の際にアンケートに回答します。

事務局がこのアンケートを集計し申請に関連する様々なデータを集計しています。

ものづくり補助金の申請に際し参考になることも多々あるため、公開されているデータから読み取れることをここで紹介していきます!

 

事業計画書の作成時間

ものづくり補助金や事業再構築補助金の申請には「事業計画書」と言われるものが必要になります。これは補助金を活用して新たに始める事業や自社の強み弱み、外部環境や収益計画などの項目を10 – 15ページほどでまとめる作業で、非常に煩雑かつ難易度が高いため信頼のおける専門家の協力を得ることが一般的です。

データを見ると20 – 50時間を作成に要したと回答している事業者様が多いことが見てとれますが、専門家と協力して作成に臨む場合、もちろん作業の分担もありますが、ヒアリングやメールでの必要情報やり取り、校正等に要す時間を考えると上記の表よりも余裕を持った時間を想定する必要があります。

 

申請のタイミング

申請のタイミングはわかりやすく圧倒的に「締切日当日」が多いことが分かります。

ただし、ここまで締切日当日に申請が集中すると、サイトのダウンなど予期せぬトラブルが出てくる可能性があります。また、申請段階になって必要書類の不備が見つかった場合に締切に間に合わなくなる恐れがあるため、申請は余裕を持って行えるようスケジュールを組むことが推奨されます。

 

申請者の規模(従業員数)

申請者の規模としては0 – 5人が圧倒的に多く、次いで6 – 20人規模となります。

比較的小規模な申請者が多く、広く中小企業や小規模事業者等を対象としたい国の意に沿っていることが見てとれます。

 

補助金の申請額

ボリュームゾーンとしては501 – 750万円です。ただし申請額が大きくなるにつれ採択率が高くなる傾向にあります。やはり申請金額が大きい=投資金額が大きくなるため、

その投資による効果がわかりやすくなり事業計画書でインパクトや説得性のある記述がしやすくなることなどが一因かもしれません。

また、投資金額が大きければそれだけ補助金額も大きくなるため、申請者の本気度が高くなるということも考えられるでしょうか?(申請金額が低いからと言って決して本気度が低いと言っている訳ではありません!)

 

加点項目の数

ものづくり補助金の申請にあたっては、審査の際に加点要素となる「加点項目」というものがあります。例として、従業員の賃上げに関する計画を立てていたり、災害時の事前対策である事業継続力強化計画の認定を受けていることなどがあります。

データから申請者のボリュームゾーンとしては加点項目0 – 2個が多いですが、やはり加点項目が多いほど採択率としては高くなっていく傾向にあるようです。

加点項目として認定を受けるための書類整備にも時間がかかることが多いので、申請を考える際には余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。

 

まとめ

今回は、採択率の推移や傾向から読み取れるものづくり補助金の採択難易度についてご紹介いたしました。

生産性向上を目指す事業者様が使いやすい便利な補助金ですので、ぜひご活用をご検討ください。

当社、アクセルパートナーズは、ものづくり補助金について100社以上の支援、採択された実績がございます。応募申請だけでなく、その先の交付申請、実績報告といった手続きのサポートまで、サービスメニューをご用意しております。

これまで多数、ご支援させていただいたノウハウをもとに、お客様の状況に合わせたサポートを提供いたします。

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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