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IT導入補助金とものづくり補助金は併用できる?

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業務効率化やDX化などの実現には、ITツールの導入が欠かせません。
ただし、専用のソフトウェア、ハードウェア、サービスなどを導入する際には、さまざまなコストがかかってしまいます。
場合によっては、専門家への相談費用や外注費などがかかることもあるでしょう。

中小企業、小規模事業者、個人事業主の場合には、費用の工面が難しいケースも出てくるかもしれません。
そんな時に、活用できるのが「IT導入補助金」や「ものづくり補助金」などの補助金制度です。

これら2つの補助金制度は、併用が可能なのかと気になる方もいるかもしれません。

そこで、本記事では、「IT導入補助金」や「ものづくり補助金」のそれぞれの概要に触れたうえで、どのような場合に併用ができるのかについて解説していきます。

 

「IT導入補助金」とは?

IT導入補助金は、国が実施する補助金制度です。
中小企業や小規模事業者などを対象として、自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援しています。

補助の対象となる経費は、原則的にパッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入費用、初期費用などといったITツールのみです。

ただし、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)に関しては、パソコン、タブレットなどのハードウェアの購入費用も補助対象となっています。

 

IT導入補助金の補助額や補助率

IT導入補助金には、複数の枠が用意されており、それぞれの枠によって補助額や補助率などが異なります。
2023年度のIT導入補助金の補助額や補助率は、以下の通りです。

 

・通常枠(A類型・B類型)

通常枠の補助額は、A類型が5万円~150万円未満、B類型が150万円~450万円です。
補助率は、A類型とB類型のどちらも1/2以内です。

 

・セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠の補助額は、5万円~100万円です。
補助率は、1/2以内です。

 

・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)

デジタル化基盤導入枠では対象となる経費によって補助額や補助率が異なっており、最大で350万円までの補助が受けられます。

 

・商流一括インボイス対応類型

商流一括インボイス対応類型の補助額は、最大で350万円です。
下限は設けられていません。
補助率は、中小企業・小規模事業者等が2/3以内、その他の事業者等が1/2以内となっています。

 

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金の正式名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。

働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入といった制度変更などに対応する中小企業や小規模事業者に対して、補助を行っています。

ものづくり補助金もIT導入補助金と同様に、「通常枠」、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、「デジタル枠」、「グリーン枠」、「グローバル市場開拓枠」などの複数の募集枠が用意されています。

 

ものづくり補助金の補助額や補助率

2023年度のものづくり補助金の補助額や補助率は以下の通りです。

 

・通常枠

通常枠の補助額は、100万~1,250万円となっており、従業員数によって補助額が異なります。
従業員数5人以下は100万円~750万円、6人~20人までは100万円~1,000万円、21人以上は100万円~1,250万円です。
補助率は1/2です。
ただし、小規模企業者・事業者、再生事業者の補助率については2/3となっています。

 

・回復型賃上げ・雇用拡大枠

回復型賃上げ・雇用拡大枠の補助額は、100万~1,250万円となっており、通常枠と同様に、従業員数によって補助額が異なります。
補助率は1/2です。

 

・デジタル枠

デジタル枠の補助金額は100万~1,250万円となっており、通常枠と同様に、従業員数によって補助額が異なります。
補助率は2/3です。

 

・グリーン枠

グリーン枠では、各型によって補助額が異なります。
エントリー類型が100万円~1,250万円、スタンダード類型が750万円~2,000万円、アドバンス類型が1,000万円~4,000万円となっています。
補助率はどの型についても2/3です。

 

・グローバル市場開拓枠

グローバル市場開拓枠の補助額は100万円~3,000万円です。
補助率は2/3となっています。
補助率は1/2です。
ただし、小規模企業者や小規模事業者の補助率については2/3となっています。

 

「IT導入補助金」と「ものづくり補助金」は併用すべき?

「IT導入補助金」と「ものづくり補助金」のどちらも、中小企業や小規模事業者などを対象として、国が実施する補助金制度です。
ただし、両者は補助額や対象経費などが異なっています。

 

「IT導入補助金」と「ものづくり補助金」の相違点

IT導入補助金は、一部の枠を除いてソフトウェアやクラウドサービス利用料などのITツールのみが補助対象となっています。

一方、ものづくり補助金は、機械装置・システム構築費やクラウドサービス利用費のほかに、技術導入費、専門家経費、運搬費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費などの経費も補助の対象です。

IT導入補助金だけでは対象経費が限られてしまいますが、ものづくり補助金と併用すれば、さまざまな経費が補助の対象になります。

ITツールの導入以外にも、費用がかかる場合には、併用を考えたほうが良いでしょう。

「IT導入補助金」と「ものづくり補助金」は、補助額についても大きな差があります。

IT導入補助金の補助額は最大で450万円ですが、ものづくり補助金の補助額は最大で4,000万円です。

両者の最大補助額は、約10倍もの差があります。
仮に、両方の補助金が利用できれば、受け取れる補助金が最大で4,450万円となりますので、金銭面での大きな助けとなることでしょう。

 

「IT導入補助金」と「ものづくり補助金」の併用ができるケース

IT導入補助金とものづくり補助金は、原則として併用ができません。
IT導入補助金の良くある質問の欄にも、「国のほかの助成金・補助金との併用が可能ですか」との質問に対して、「国及び中小機構のほかの助成金・補助金との併用は不可です。

ただし、補助対象となる事業内容(サービス・ソフトウェア、経費など)が重複しない場合は申請が可能です」との回答が記載されています。

 

同一事業でなければ併用が可能!

つまり、同一事業でなければ、IT導入補助金とものづくり補助金の併用ができるということです。

両方の補助制度を利用したいのであれば、別々の事業として、申請手続きを行う必要があります。

その際には、補助制度ごとに申し込みをしなくてはなりません。
書類作成や事業計画の作成などの準備が大変になる可能性があります。
併用を考えている場合は、事業の重複に注意したうえで、計画的に準備を進めていったほうが良いでしょう。

まとめ

「IT導入補助金」と「ものづくり補助金」のどちらも国が実施している補助制度です。

そのため、これら2つの補助金制度は、原則として併用ができません。
ただし、補助対象となる事業内容に重複がない場合であれば、両方の利用が可能となっています。

IT導入補助金とものづくり補助金の併用を考えている場合は、申請の際に同一事業とならないように注意してください。
準備の手間も増えますので、スケジュールに余裕を持って手続きの準備に取り組むと良いでしょう。

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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