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CADはIT導入補助金の補助対象になる?

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中小企業庁が管轄するIT導入補助金を利用して、CADを導入できないだろうかと考える方もいるのではないでしょうか。
2023年度のA類型では、最大で150万円までの補助が受けられますので、CAD導入のハードルを下げられることでしょう。
ただし、IT導入補助金では、補助対象となる経費の内容やITツールがあらかじめ決められているため、よく確認しておかなくてはなりません。
本記事では、CADがIT導入補助金の対象となるかどうかについて解説していきます。

 

そもそも「CAD」とは?

そもそも「CAD」とはどのようなものなのでしょうか。
CADは、「Computer Aided Design」の略です。
日本語では、「コンピュータ支援設計」と呼ばれることもあります。
その言葉の通り、CADは、コンピュータを使用して設計ができるソフトウェアのことです。
ビルや住宅などの建物の設計のほか、工業製品、家具製品、医療器具、自動車、航空機、アパレルなどといったように、さまざまな設計でCADが活用されています。

 

CADの種類

CADは、おおまかに分けると、「2D CAD」や「3D CAD」などがあります。
「2D CAD」は、2Dで平面図や立面図などの作成ができるソフトウェアです。
「3D CAD」は、立体的な製図が可能なソフトウェアです。

全方向から立体的に仕上がりをイメージできるというメリットがありますが、高価な製品が多いため導入コストが高くなります。
そのほかにも、「専用CAD」や「汎用CAD」などといった種類があります。

 

代表的なCAD製品の一例

CADは、無料で利用できるものから有料のものまで、いろいろな製品が存在しています。
代表的な製品は、以下の通りです。

 

-Jw-cad(ジェイダブリューキャド)

無料で利用可能な2次元汎用CADソフトです。

 

-AutoCAD(オートキャド)

多くの業界で導入されている人気の汎用CADソフトです。
2~3次元まで対応できるという強みがあります。

 

-VectorWorks(ベクターワークス)

デザイン事務所やインテリア業界で利用されることが多いCADソフトです。

 

-REVIT(レビット)

建築に特化したCADです。
建築パーツの直接入力、複数で同時変種などの便利な機能が揃っています。

 

-CATIA(キャティア)

フランスのメーカーが提供する機械専用CADです。
自動車業界や輸送機械業界などで利用されています。

 

IT導入補助金を利用してCADを導入するメリット・デメリット

無料で提供されているCADもありますが、高性能なCADは高額な製品が多い傾向です。
有料のCADを導入する場合には、永久ライセンス料(買い切りの場合)、年間利用料、月額利用料などのコストがかかります。

費用面の負担を減らしたい場合には、IT導入補助金を検討したほうが良いでしょう。
たとえば、IT導入補助金の通常枠A類型を利用すれば、5万円~150万円未満までの補助が受けられます。

補助率は、2分の1以内です。(2023年度の場合)
補助対象経費となる経費については、ソフトウェア購入費です。
クラウド利用費も補助の対象となっており、最大で2年分までのクラウド利用の補助が受けられます。

クラウド版CADの導入を検討している方にとってもメリットのある補助制度となっています。
IT導入補助金を利用するデメリットは、IT導入支援事業者や対象ツールの選定、申請の手間がかかることです。

提出する書類が多いため、準備に時間を取られてしまう可能性があります。
さらに、補助金を受け取った後も、数年間にわたって事業実績報告しなくてはなりません。
補助金給付までに時間がかかることもデメリットです。

その間の費用は、CADの導入費用を自費で負担しなくてはなりません。
IT導入補助金の申請をしても、必ず採択されるとは限らない点にも注意が必要です。
その点をよく考えたうえで、IT導入支援事業者を利用するかどうかを決めたほうが良いでしょう。

 

CADは「IT導入補助金」の対象となるのか?

「IT導入補助金」は、中小企業庁が管轄する補助制度です。
中小企業や小規模事業者などを対象として、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部の補助を行っています。
各年によって募集枠や補助額などが異なっていますので、申請前に確認が必要です。
2023年は、通常枠(A類型・B類型)、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)、商流一括インボイス対応類型などの枠が用意されています。

 

・通常枠のA類型の補助額や要件

IT導入補助金には複数の募集枠が設けられていますが、CADの補助対象となるのは、通常枠のA類型となるケースがほとんどです。
通常枠のA類型の補助額、補助率、対象経費については、以下の通りです。
補助額:5万円~150万円未満
補助率:1/2以内
対象経費:ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、導入関連費
機能要件:1プロセス以上
補助の対象者は、中小企業や小規模事業者等です。
日本国内で事業を営む個人も対象となっています。
業種分類によって、資本金や常時使用する従業員の数などの定義がありますので、それらを満たしておく必要があります。

 

・CADがIT導入補助金の対象となるケース

CADはIT導入補助金の補助対象に含まれていますが、各社から提供されているすべての製品が補助対象となるわけではありません。
IT導入補助金の補助対象となるCADは、IT導入支援事業者が提供しているものに限られます。
IT導入補助金の公募要項にも、”補助対象経費は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用とする。

補助事業者は、登録されたIT導入支援事業者への相談を行い、自社の生産性向上に寄与する適切なITツールを選択し、申請すること。”との記載があります。
(引用元:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.it-hojo.jp/r04/doc/pdf/r4_application_guidelines.pdf)

IT導入補助金の利用をして、CADの導入費用の補助を受けようと考えている方は、まずはIT導入支援事業者により事前に登録されたITツールかどうかをよく確認しておいたほうが良いでしょう。

導入を検討しているCADがIT導入補助金の補助対象となるか不明な場合には、各IT導入支援事業者へ直接問い合わせてみるのも手です。
IT導入支援事業者のサポートを受けながら準備を進めると良いでしょう。

 

・IT導入補助金の補助対象外となるケース

IT導入補助金の補助対象に含まれているCADであっても、補助金の交付決定前に導入したITツール(対象製品)は対象外となってしまいますので、注意してください。
すでに購入済のソフトウェアの追加購入分のライセンス費用も補助の対象外となります。

 

まとめ

CADは、「2D CAD」や「3D CAD」のほかに、「専用CAD」や「汎用CAD」など、いろいろな製品があります。
無料で提供されている製品もありますが、高度な機能が搭載されたCADは有料のものが多く、高額な製品も少なくありません。
IT導入補助金を活用すれば、ソフトウェア購入費やクラウド利用費などの補助が受けられますので、高額なCADでも導入しやすくなることでしょう。
ただし、IT導入補助金の補助対象となるCADは、IT導入支援事業者が提供している製品に限られます。
まずは導入を検討しているCADを取り扱っているIT導入支援事業者へ相談してみると良いでしょう。

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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