ITの本命は効率化より売上UP☝
- 著者:田中えみこ
- 投稿日:2021年02月04日
近年、「IT」という言葉が多用されるようになりました。
ITというと、「業務の効率化」というイメージが非常に強く思えます。
しかし、ITコンサルタントに話を聞くと、ITの真の目的は効率化ではないとのこと!
今回は、弊社のITコンサルタント2名との対談形式で、ITについて解説していきます。
(編集:田中えみこ)

お二人とも、長年システムエンジニアをされていた中小企業診断士のため、その強みを活かしながらコンサルタントをされています。
それでは、早速お話をうかがっていきましょう!

IT化で効率が上がったと話題になりました。

本当の目的は、売上をアップさせることなのです。

目次
1. ITの目的とは

そうすると、効率化が目的になるのではないでしょうか?
でも、真の目的はそこではない、ということです。

例を挙げて解説しましょう。
「ラーメン屋がITを導入する」という想定にします。
現状
・商品の注文は、店員が1席ずつ席に近寄って、口頭で注文する形式を取っている
・昼や夜のピーク時には多めに店員を入れているため、その分の人件費がかかっている

ITの導入
★タッチパネル式の券売機を設置する
⇒券売機に内蔵するシステムとして
①無料で専用のカードを発行する
・ポイントカード制度導入
・前回までの注文履歴を表示
→履歴から注文できるようにすることで、トッピングにこだわりのある人が毎回トッピングを選択する手間を省く。また、履歴にないメニューをオススメとして表示する。
②多言語の対応もする
③連携する端末を店員側が操作して、店内の座席の空き状況を表示することで、券売機にて座席を選んで確保できる
→どこに座っているかという座席のデータが取れるため、店員が席まで食券を回収しに行く手間を省ける。

IT導入の結果
①人件費が削減できた
②店員側にピーク時の時間的余裕が生まれたため、より丁寧な接客サービスをすることで良い口コミが増え、新規客が増加した
③ポイントカード制度導入により、リピーターが増加した
④以前より外国人客が増加した
⑤券売機に蓄積された購入履歴によって、人気商品やピークの時間帯等を数字で明確に確認することができるため、多めに仕入れていた食材のロスが減った
上記のIT導入の結果を見ると、①~⑤のどれも効率化ととれるかもしれません。
しかし、最終的にすべて売上アップに繋がっていますよね。
今回は、人件費が多くかかっているという設定にしたけれど、逆に人手不足でお客さんを待たせてしまうというお店が、券売機システムを導入することで人手不足をカバーし、売上アップに繋がるというパターンもありますね。

2. ITを進めていくとDXに繋がる

ITとの違いがよくわかりません。
詳しくは、下記のコラムにて解説していますので、参考にしてください。



わかりやすく区別すると、ITは「改善」、DXは「改革」を指すと解釈できます。
ITによって社内で小さな改善を繰り返して成功体験を積み重ねていった結果、一歩引いて見ると、他社を圧倒するレベルで会社が改革されていた=DXというわけです。
先ほどのラーメン屋の例に当てはめてみましょう。
券売機導入によるIT化によって、業務が効率化され、売上がアップしましたよね。
その利益を、また別のIT化に投資したとします。
①手作業で行っていた店員のシフト作成をIT化する
☞シフト作成にかかる時間がカットされたことで、別のIT化を進める時間的余裕ができた
②今まで口コミサイトだけに頼っていた広告やマーケティングを、WebやSNSを使用してIT化する
→自社ホームページを作ることで、自慢のラーメンの紹介や歴史を詳しく伝えられ、またSNSを通してラーメン好きの人々に向けての広告やマーケティングができるようになった
☞新規客及びリピーター獲得に繋がった
どんどん業務状況が改善されていき、売上もアップしていきます。
すると、券売機システムのバージョンアップにも投資できるので、他店の券売機よりハイテクなシステムへと進化させ続けることができますよね。
その結果、当初と比較するとビジネスモデルが大きく転換し、他社を圧倒するほどの改革=DXとなったと言えるわけです。

なるほど、よくわかりました!
3. ITを売上アップに繋げるには

では、売上アップのために、何かポイントはありますか?
目指すところは、業界内でITのトップに立つことですね。
作り上げた強いサービスシステムを同業他社や異業種に販売することで、新たな売上になります。
その利益を資金として、さらにシステムを強化できるわけです。




業界内のトップを目指すためには、同業他社が既に進めていることを始めても、なかなか追いつくことはできないでしょう。
なので、異業種の取り組みを、自分の業界と会社に落とし込んで考えてみると良いと思います。

お気軽にご相談くださいね。

4. まとめ
今回は、ITコンサルタント2名に、ITの本命は効率化より売上アップ☝という話を聞きました。
IT化というと、難しそうだから導入できない、お金がかかることは避けたいと判断する企業が多いとは思います。
しかし、技術は進歩しており、大手が無料で公開しているシステムを利用することもできますし、テクノロジー的にも簡単に扱えるものが増えています。
加速するIT化への波に乗り遅れることなくITを取り入れ、業務改善してDXを目指しつつ、売上アップを図りましょう!


Webマーケティング 営業支援スタッフ