ホーム > 代表コラム一覧

強い組織を作るために心がけている未経験重視と社内教育、キャリアアップ助成金について

  •  
    公開日:

アクセルパートナーズの求人戦略は基本的にそこまで経験が深くない人を採用することが多いです。

経験豊富な求職者さんの場合、経験を活かしてアクセルパートナーズでどのように成長するか、どのような挑戦をしていくのか、というイメージを作ります。つまりある程度経験者を未経験者化させることを意識します。

なぜなら、アクセルはスタッフのエンゲージメントを

”エンゲージメント = 入社後の幸福 – 入社前の幸福”

という方程式で考えているからです。

もちろん即戦力の経験者さんも大事ではありますが、この入社前後の幸福の差分をしっかりと創出することが重要だと思っています。

未経験者を採用する理由

経験者は教育をする手間が省けるし業界のことをなんとなく理解しており、入社すぐに活躍してくれるため欲しがる会社さんが多いです。

また、貢献利益と経費がなんとなくわかるため、採用するか迷った時に

「とりあえずマイナスはないから入れよう」

ということも多いのではないでしょうか?

それに対して未経験者は教育のコストと時間がかかってしまい、稼げるようになるまで時間がかかります。

その中で、なぜ未経験者を採用するかというと、未経験者の方がクセがなくエンゲージメントを上げやすいからです。

一昔前はそれを新卒に求める企業が多かったですが、中小企業は新卒を採用し育成するのに非常にコストがかかりますし大企業にはなかなか勝てません。

私の体感ではありますが、業界未経験であったり、20代業界3年以内とか、そこまで固まっていない人材については教育次第でプロパー社員として価値観を揃えていくことは可能だと思います。

また、弊社は

・1分単位で残業支給
・有給は5日以上必須
・年休120日以上
・叱るの禁止
・ノルマなし

と、働く環境にはかなり配慮していますが、新卒社員だとそれが当たり前だと感じてしまうことが多いです。

1,2社中小企業を経験していると大体労務面がある程度良くない環境で働いていることが多く、大企業出身だったりしても中小企業の志望動機が”やりがい”だったりするので新入社員の”不”を満たすことができます。

この求職者さんの”不”の解消こそがエンゲージメントの引き上げであり、我々のような中小企業の生きる道だと感じています。

 

経験者即戦力人材依存の弊害

経験者即戦力人材は上記のようにメリットが多いですが、気を付けるポイントがあります。

ここで強調したいのは

”経験者即戦力人材がいけない”

のではなく、経験者即戦力依存はいけないということです。

前提として、弊社では

”全スタッフの20%以上、管理職の40%以上が経験者即戦力のキャリア採用組”

という状態を依存状態とみなしています。

そんな依存状態の弊害について列挙したいと思います。

 

エンゲージメントが高まりづらい

自分が持っているスキル・キャリアは働いている会社のおかげじゃなく、今までの自分の頑張りによるものです。

要は、未経験者・新卒はコストをかけて育ててきたら感謝してもらえますがコストをかけてリスクを背負って育ててきていないのに感謝してもらうことはできません。

また、前職と現職の仕事内容がさほど変わることがなければ

”エンゲージメント = 入社後の幸福 – 入社前の幸福”

という方程式に当てはめるとさほどエンゲージメントが高まりません。

そのため、前職の不満を解消するために違う仕事を与えて未経験者にしてあげないと飛躍的なエンゲージメント上昇には繋がりません。

ただ、そうすると前職を踏まえた給料を提示できませんので、両者としても悩ましい所になります。

プロフェッショナル人材として経験者さんの採用はもちろん効果的ですが、ただ、組織の中で一定割合を超えると烏合の衆というかエンゲージメントの総量が足りずに弱い組織となってしまう可能性があります。

 

価値観の統制、企業文化を醸成しづらい

経験者即戦力人材は自分のやり方がある程度固まっていますので価値観を揃えたりするのが困難です。

経営者がカリスマ性や高い影響力を持っていれば可能かもしれませんが、あくまでスキル・タスク・報酬・仕事内容で繋がることが多いです。

価値観を全員一致させるのは困難ですが、価値観がバラバラのスタッフが一定数を超えると組織全体の文化を作ることはかなり難しくなります。

価値観が揃わないと、イレギュラーな物事に対する意思決定、教育方法などがバラバラになり、会社の目的・理念といったものも統制しづらくなってしまいます。

 

離職しやすくなる

経験者即戦力で入社した社員は他の会社へも即戦力で内定を取ることは難しくありません。

特に人材紹介会社経由で入社した場合、エージェントさんとは人間関係ができていたりしていて、次の会社を紹介してもらうこともできます。

そう言った環境下であればどうしても離職はしやすくなってしまいます。

また、組織全体で経験者即戦力スタッフが多くなると、若手社員さんも仕事がやりづらくエンゲージメントが上がりづらい可能性があります。

プロパーで頑張っていても上司の多くが他社での経験を持った社員だったり、その上司が会社の方向性とずれがあったり、つく上司によって全然価値観が違ってたりするとどうしても離職しやくなってしまいます。

 

マニュアル・仕組み化が難しい

経験者即戦力スタッフの多くは自分なりのやり方を持っていることが多いです。

だから即戦力で働けるのですが、マニュアル作り・仕組み化においてはどうしても不利に働いてしまいます。

 

もちろん経験者即戦力スタッフもわがままを言っているわけでは一切ないし、プロパーなスタッフに比べて不遇に感じたり寂しく思ったりすることもあるかもしれません。

だからこそ、依存するような比率を作らず、経験を尊重しつつ譲ってはいけない所は譲らないことを意識することが大切だと思います。

では、次に経験者即戦力に依存してしまう理由について書きたいと思います。

 

経験者即戦力に依存する理由

それでは経験者即戦力は必要ではあるものの依存状態が起こりやすい理由について考えたいと思います。

募集のタイミングが遅い

これが結構大きいと思います。

人件費は会社のコストとして非常に大きなウェイトを占めます。
一人増えると人によりますが500万円ほどは経費が上がります。

そのため、どうしてもギリギリで採用したくなってしまいます。

・スタッフに急に辞めたいと言われた
・ギリギリ社員数で回していて、回らなくなってきた
・新店舗開店が3ヶ月後に迫っている

こんなケースが多いです。

こんなケースだとどうしても経験者即戦力人材中心に欲しくなってしまいます。

マニュアル・教育体制が確立されていない

マニュアルは生産性向上のためのツールとして捉えることが多いと思いますが、マニュアルが整備されていると自信を持って未経験者を採用できるという点においては組織ビルディングにおいて重要なツールでもあるなあと思います。

 

また、教育体制が確立されていないと教える人材がいないので未経験者を採用することができなくなってしまいます。

 

上記のような点をカバーするためには、まずは募集のタイミングをワンテンポ早くする、先行採用にシフトしていくことが重要かと考えます。

先行採用については長くなるのでまた別の会でしっかりと書きたいと思いますが、

募集準備→募集開始→面接→入社→教育→1人前に成長

というところまでは8ヶ月くらいはかかるかと思います。

不足してから採用するのではなく、必要になる8ヶ月前くらいにしっかりと募集開始することが重要になります。

 

ここまではある程度理屈は理解できるものの経費面が心配で踏み出すのが難しい人が多いかと思います。

弊社では、この未経験者教育についてキャリアアップ助成金を活用して人件費を部分的に助成金で賄っています。

最後にこちらについて触れたいと思います。

 

キャリアアップ助成金を活用して未経験者を採用・育成

キャリアアップ助成金は有期雇用のスタッフを無期雇用に転換した時に受給される助成金です。

弊社ではこれを活用し、未経験スタッフには最初有期雇用で入社してもらいます。

もちろん待遇は決して良くありませんが慣れるまでの間労働時間中にロープレやインプットなどをしっかりと行うことができ、売上貢献などは考えずにじっくり学んでもらいます。

その教育期間の給与の一部をキャリアアップ助成金を受給することで賄っているというスキームになります。

これによって転職が難しい未経験の転職者さんが転職することができ、入社後は会社に慣れるまでじっくり学んでもらい、無期雇用になった後はしっかりと活躍してもらうという形を作っています。

 

いかがでしょうか?

強い組織を作るために、経験者即戦力人材依存を作らずに、未経験者をしっかりと採用・育成し、その経費をキャリアアップ助成金で補填するという弊社の取り組みを紹介させていただきました。

 

弊社ではindeedを中心にした求人広告の支援をしており、さらにアクセル経営社会保険労務士法人をグループ会社で持っており、こういった体制を作るための助成金活用にもアクセルパートナーズでは対応可能です。

強い組織作り支援に向けて弊社がお役立てできることがありましたらお気軽にご相談ください。

この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

Webマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWebコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

Xをフォローする