初心者向け!マーケティング講座~フレームワークを使ってマーケティングを考えてみよう~

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マーケティング」と聞いて、あなたは何を想像しますか?
市場でのニーズを考える、SNSでの広告宣伝に力を入れる等々、人によってさまざまなことを想像するのではないでしょうか。

今回は、「初心者向け!マーケティング講座」ということで、マーケティングとは何か?という解説から、簡単に使える自社分析と戦略のフレームワークについて、実例を用いてご紹介します

特に、初心者向けということで、専門用語を最小限に抑えてわかりやすくご紹介しますので、これから起業を考えている方、経営の見直しを考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

1. マーケティングとは?

そもそも「マーケティング」とは一体何を指す言葉なのでしょうか。
市場でのニーズを考えること?SNSでの広告宣伝に力を入れること?
そう、そのどちらもマーケティングといえるのです。

マーケティングとは、

お客さんや社会に対して、どのような商品・サービスを届けるかというプロセス全て

を指す、非常に広義な言葉です。

では、そのプロセスとはなにか。段階ごとに表にしました。

マーケティングのプロセス
1 やりたい事業を考える やりたい事業の案出しをします
2 ターゲットを絞る
(ターゲティング)
どこの市場で誰に売るかを定めます(★ここが一番大事
3 宣伝する
(プロモーション)
効果的なプロモーションを考えます

最も大事なことは、ターゲットを絞ることです。
どこの市場で誰に売るかを明確に決めないと、何も戦略を立てられませんし、効果的な宣伝をすることもできません。
ターゲットを絞るには、マーケティングにおいて使われている、様々なフレームワークに自社を当てはめて考えると進めやすいでしょう。

そこで今回は、「ターゲットを絞る」ことに重きを置いて、フレームワークを使った自社分析と戦略立てをご紹介します

また、具体例として、これからラーメン屋を始めたい!という方の目線で考えていきます。

 

2. 実践!~STP分析~

STP分析で、市場・ターゲット・立ち位置を定める

STP分析とは、マーケティングにおいて、ターゲットを絞り込むために行うフレームワークの1つです。
①参入する市場を細かく分け(セグメンテーション:Segmentation)、②ターゲットを絞り(ターゲティング:Targeting)、③ターゲット市場における自社商品の立ち位置を明確にする(ポジショニング:Positioning)という3つの段階を経ることで、自社の商品サービスをどのように宣伝するかを明確にできるフレームワークとなります。

段階ごとに、ラーメン屋の具体例とともに解説していきます。

①セグメンテーション:市場細分化

今後参入予定の市場について、4つの切り口から考えます。

セグメンテーション 4つの切り口
地理的変数 人口動態変数 心理的変数 行動変数
地理に関すること。
地域規模、発展度、人口、気候、文化
人に関すること。
年齢、性別、収入、職業、学歴、家族構成
心理や感性に関すること。
ライフスタイル、価値観、心理的特徴
購買頻度、購買回数、購買プロセス(悩んで決める派、即決派)、使用頻度

 

ラーメン屋の場合

 

地理的変数

政令指定都市内にある、複数の路線が通る駅前の立地。大企業のオフィスビルが多い小綺麗な街。ブティックも多い。

 

人口動態変数

会社員がほとんどだが、アパレル店員も多い。20代~60代。男女比は6:4。

 

心理的変数

ランチタイムに早く商品提供され、手早く食べられるもの、健康を意識した栄養バランスになっているものが好まれる。

 

行動変数

昼食としての来店の可能性が高いので、週に1回以上の来店頻度。

 

 

②ターゲティング:ターゲット・参入市場の選定

細分化した市場や顧客の中から、3つの着眼点によってターゲットを選定します。

ターゲティング 3つの着眼点
市場規模 市場の成長性 競合の状況

ある程度市場が定まったら、新規顧客の詳細な人物像(「ペルソナ」と呼びます)を作って考えるのも具体性があり、効果的です。
ターゲットのイメージとともに、お店のコンセプトが固まります。

ラーメン屋の場合

 

市場規模

・政令指定都市内の特に人口過密な駅前オフィス街。

 

・地元に根付いた●●ラーメンのような有名なお店やスープは無く、チェーン店同士で競っている状況。

 

市場の成長性

・今後も大きなオフィスビルが建つ予定があり、ランチ需要が見込める。

 

・ラーメンブームは長く続いているが、出店予定地周辺のラーメン屋はチェーン店が2店舗のみ。

 

競合の状況

・チェーン店のラーメン屋は2店舗ともに男性客ばかり、ランチタイムは混雑している。
対して、うどんやそばを提供するお店は4店舗あり、比較的女性が多く、ランチタイムは混雑している。

 

・チェーン店のラーメン屋について。
→1店舗は、豚骨ベースのこってりスープで、チャーシューにこだわりを持っている専門店。価格は、チェーン店にしては高め。クチコミ評価も高め。所在は駅前で、出店予定地と割と近い。
→もう1店舗は、赤味噌ベースの和風スープで、他にも塩やしょうゆ等の複数のスープを用意しており、つけ麵等バリエーション豊かに展開している。価格は、高くも安くもない全国平均的。クチコミ評価も平均的。所在は駅前大通りから外れており、少し見つけにくい場所にある。

 

ペルソナ20代独身女性、会社員、健康志向、麺類が好き、男性が多いお店に1人で入ることには抵抗がある。

 

 

 

お店のコンセプト

 

女性が1人でも気楽に入店できる、さっぱり系スープの健康志向ラーメン屋!

 

 

③ポジショニング:市場内での自社の立ち位置の決定

ターゲット市場における自社商品の立ち位置を明確にします。
他社の差別化を図ることを意識しましょう。

ラーメン屋の場合

 

・主に女性をターゲットとして、周辺他店には置いていない魚介ベースのさっぱりスープにする。

 

・カフェをイメージした緑あふれるモダンな内装にして、古風でシンプルなよくあるラーメン屋とは一線を画し、SNS映えに繋げる。

 

・ラーメンのトッピングとして野菜を数種類入れるようにし、サラダやフルーツを使ったデザート等、健康志向のサイドメニューも用意する。

 

 

このように、STPの3つの段階を経ることでターゲットを明確にすることができ、どのように商品サービスを売り込むかという戦略が立てやすくなりました。

ちなみに、YouTubeにて、STP分析について動画でも解説していますので、ご参照ください。

 

3. 実践!~差別化戦略・コストリーダーシップ戦略・集中戦略~

差別化戦略・コストリーダーシップ戦略・集中戦略の考え方に則って、戦略を定める

差別化戦略・コストリーダーシップ戦略・集中戦略という3つの戦略は、マイケル・ポーターが提唱した考え方です。

軸になるのは、①戦略の優位性を何に置くか②ターゲットをどこに置くかという2つの考え方で、自社の方向性に適した戦略を定めます。

戦略の優位性
価格以外の強み 低コスト
ターゲット 市場全体 差別化戦略 コストリーダーシップ戦略
特定の
ターゲット
集中戦略
(差別化集中 or コストリーダーシップ集中)

 

①戦略の優位性を何に置くか

この軸では、商品サービスの強みに焦点を当てます。
価格以外の機能性やアフターフォロー等のサービス面を強みにするのか、もしくは低コストで大量生産することを強みにするのか。
これは商品サービスの性質によって判断することになります。

②ターゲットをどこに置くか

この軸では、市場全体に勝負を仕掛けるのか、特定の絞ったターゲットに売り込むのかという点で判断します。
市場全体であれば、競合他社の状況をよく確認する必要がありますし、特定のターゲットに絞る場合は、ニッチな市場すぎて市場自体がなくなるというリスクもあります。

 

各戦略について、下記の表に詳しくまとめました。
自社の戦略の優位性とターゲットを意識して、どの戦略が合うかを考えましょう。

戦略の考え方 リスク
差別化戦略 価格以外の魅力的な独自性を打ち出すことで、競合他社よりも優位に立つ戦略
・製品そのものの品質、もしくは、付随するサービスで勝負する。
・広告宣伝に力を入れて、認知度を上げる。
自社の独自性を、他社に真似されてしまう可能性がある。
コストリーダーシップ戦略 大量生産の低コスト商品でシェアを高める戦略(低価格ではない、安売りしない)
・ノウハウを積み重ねていくことで、初期より早く安く生産できるようになっていく(大量生産できる大企業向け)。
他社が低価格の商品を出したら、顧客を取られてしまう上、価格競争に繋がり、自社の利益が減ってしまう。
集中戦略 ★特定のニッチな市場を攻めて、一点集中で差別化戦略もしくはコストカット戦略を立てる。 ニッチすぎるがゆえに、他社にシェアをあっという間に奪われてしまう可能性がある。

 

ラーメン屋の場合

 

★女性向けラーメン屋として、差別化戦略を取る。

・健康志向を付加価値としてアピールするため、他店にはない魚介系オリジナルスープの開発もこだわるが、「野菜が多いさっぱりしたラーメン」という点を最もアピールするようにし、オリジナルのネーミングでブランド化に繋げる。

 

・内装はカフェのようにモダンにして、女性が1人でカウンターに座っても気おくれしないような空間づくりに取り組む。複数人での来店でも対応できるよう、4人掛け席も設ける。

 

・価格は全国平均で設定する。近くにある他店が豚骨ラーメン専門店として高額に設定しているので、リーズナブルに見えるようにする。

 

・注文方法は着席前に食券を購入する方式を取り、内気な女性等が口頭注文で戸惑うことを避けると同時に、人件費削減に繋げる。

 

・クチコミサイトに登録や、オープン前後に広告チラシを用意して新聞に折り込むのはもちろん、多くの写真を用いて複数のSNSでお店のアピールをする。

 

STP分析によって先にターゲットを明確にしたことで、自社の戦略が立てやすかったのではないかと思います。

ちなみに、差別化戦略・コストリーダーシップ戦略・集中戦略についても、YouTubeにて動画でも解説していますので、ご参照ください。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか?
起業希望の方や経営の見直しに悩んでいる方の一助となれば幸いです。

今回使った分析や戦略のフレームワーク以外にも、フレームワークは多くありますので、マーケティングに興味を持った方は、色々と調べて知識を深めてくださいね。

アクセルパートナーズでは、マーケティングをはじめ、多くのビジネス動画をYouTubeに投稿していますので、是非参考にしてください!

☞アクセルパートナーズオリジナルチャンネル「アクセルチャンネル」(YouTube)

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
運用型広告の知見と経営者として自社の採用に携わっている経験を元に様々な業種の採用改善に携わる。

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