働き方改革にも使える助成金 メリットデメリットをご紹介

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中小企業にとって資金確保は大きな課題です。そこで、活用をおすすめするのが「助成金」です。 存在を知らなかった、興味があるが申請が面倒だ、どの助成金を使えるのか分からない…など、様々な理由でまだ助成金を活用できていない方も多いかもしれません。 ここでは助成金を活用するメリットデメリットについてご紹介します。  

1.助成金とは

国や地方自治体から支給される原則的に返済不要な支援金のことです。一般的に厚生労働省の所轄で、支給条件を満たした企業が申請すれば、ほとんどの場合助成金が支給されます。 財源は雇用保険料で、主に雇入れや能力開発など雇用関連の施策に対する助成金が支給されます。

2.助成金を活用するメリット

ここでは助成金の4つのメリットをご紹介します。

返済不要の資金を調達できる

金融機関などからお金を借りると元本と利子の返済が必要ですが、助成金は原則的に返済の必要がありません。助成金で返済不要の資金調達ができれば、会社の資金繰りにとって大きなメリットとなります。

収益が確保できる

助成金は会計上、営業外収益の「雑収入」に計上され、利益が増えたのと同じ効果があります。例えば売上高に対して5%の利益を上げている会社にとっては、50万円の助成金は、1000万円の売上と同じ効果があるといえます。

事業計画が明確になる

助成金を申請する際には、取り組みに対する計画書を提出しなければなりません。取り組みの内容、事業の目的や数値目標、誰を担当者にするのか、達成期限はいつか、など、具体的な計画を立てていきます。実行可能で期限や資金のめどが立った事業に取り組み、計画が達成された段階で助成金が支給されます。 助成金をきっかけにしっかりと計画書を作ることで、これまでぼんやりとしか思い描いていなかったプランが一気に加速することもあります。

社内整備が進む

助成金の支給要件には、労働保険(労災保険・雇用保険)に加入し保険料を支払っていること、労働関係の法令に違反していないことなどが求められます。社員の不当解雇や賃金未払いなどの問題のある会社、いわゆるブラック企業には支給されません。さらに、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などの各種書類もしっかりと管理されている必要があります。助成金を申請にするに当たりこうした書類関係や労働環境の整備が進むことになりますので、助成金を毎年賢く活用している会社は、国からお墨付きをもらったホワイト企業といえるでしょう。

3.助成金のデメリット

たくさんのメリットがある助成金ですが、デメリットもあります。助成金を活用したくても、以下にご紹介する点がネックになって実際には申請に至らない場合もあります。

申請に手間がかかる

申請の際は申請書や様々な添付書類が必要です。書類づくりが苦手だったり、必要書類が社内で整備されていなかったりすると、大変な手間になってしまう場合があります。特に、小規模な会社では助成金申請に対応できる人材がいない場合も多いため、申請のネックになっています。

必要な経費は先払い

助成金は一般的に、交付申請→交付決定→事業実施→支給申請→支給決定・入金の流れで進みます。ですから、設備投資や人材採用・教育に掛かる費用はいったんは自社で負担することになります。助成金によっては入金が1年以上先になる場合もありますので、その間の自己資金を確保しなければなりません。

自己負担額が発生する

助成金は、投資した金額がすべて返ってくるわけではありません。助成金の種類によって条件は違いますが、補助率や、支給額に上限が設けられています。

事業実施の時期が限られている

事業計画には期限があります。申請した期限内に取り組みが達成できなかった場合や、助成金の交付決定より前に設備等の契約・購入をしてしまうと助成の対象になりません。例えば、人材採用の助成金は期限内に採用できた人がいなければ、支給されることはありません。また、設備投資などの助成金の場合、交付決定後に契約・購入したものしか助成の対象になりませんので注意が必要です。  

4.こんな会社は助成金を活用すべき

上記のメリット、デメリットを踏まえて、ぜひ助成金を活用すべきなのは、以下のような会社です。   働き方改革の推進、人材採用、教育に投資する意欲がある   先払いや自己負担額に対する資金的余裕がある   帳簿等の書類が整備されている これらの要件が当てはまるようでしたら、一度助成金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

5.まとめ

いかがでしたか?これまで助成金についてご存じなかった方も、少し興味を持ってもらえたのではないでしょうか。 ぜひ有効活用して会社の労働環境を整えるきっかけにしてみてください。      ]]>

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この記事の監修

アクセル経営社会保険労務士 今井一貴
 

社会保険労務士
中小企業診断士
アクセル経営社会保険労務士法人代表 今井一貴

これまで、メーカーや人材サービス企業の人事として、採用、研修、給与計算、社会保険などの様々な業務に従事してきました。採用活動ではダイレクトリクルーティングを導入するなどして、ターゲットの採用に成功したり、労務業務でデジタルツールを活用して業務の効率化を図るなどの経験があります。また、制度を設計する際には、会社と従業員の双方の立場に立って仕事をしていました。これらの経験を活かして、従業員が幸せに感じるような職場の構築を支援したいと考えています。