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DX認定制度とは?概要から申請要件や費用・メリットと必要書類まで解説

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今回は、「DX認定制度」についてその内容や申請方法を詳しく解説します。

DX認定制度の詳細に入る前に、そもそもDXがどういったものなのかについて簡単におさらいしていきます。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは?ITと経営一体となってビジネスのあり方を変革

今、世間では「DX」という言葉が盛んに使われていますが、その言葉の意味をご存じでしょうか?

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、単に現在の業務、たとえば紙で印刷している資料をPDF化したり、オフィスワークをテレワーク化したりといった業務をデジタル化することではありません。一言で言うと、「ITと経営が一体となってビジネスのあり方を変革すること」です。

具体的には、以下のような進め方を行います。

①現状何らかの経営課題がある
②デジタル技術を使った解決方法を見出す
③課題が解決される
顧客に新たな価値が提供される

業務の一部をデジタル化するような「部分最適」を目指すようなものではなく、経営目線からの「全体最適」を目指す取り組みといえます。
では、「DX認定制度」とはどういったものなのでしょうか。

DX認定制度とは?DX推進の準備が整っている事業者を認定

DX認定制度とは

次に今回の本題である「DX認定制度」について説明します。

この制度は、DX推進の準備が整っている事業者を認定する制度で、政府が「情報処理の促進に関する法律」に基づき制定したものです。
認定を受けた事業者は、税額控除や融資制度上の支援があるほか、名刺やホームページなどでDX認定ロゴマークを使用でき、認定を受けていることをアピールでき、認定を受けながらDXへの取組みを進められるなどのメリットがあります。

制度の背景

なぜこの制度が制定されたのでしょうか?

2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」がきっかけとなっています。このレポートによれば、日本の企業が現在の古いシステムを使用し続けると、デジタル化が進む世界の中で、企業自体が次第に競争力を失っていくことを警告しており、いわゆる「2025年の崖」として同年以降大きな経済損失が生じることになることを主張しているのです。

そしてそういった事態を避けるために「DX認定制度」を制定、DXという形で企業のデジタル化を推進しようとするものです。

DX認定制度適用のメリット4つ

DX認定を取得するメリットは主に以下の4点が挙げられます。

①税額控除や融資制度上の支援 中小企業には追加メリットも

DX認定事業者は、「DX投資促進税制」による税額控除等を受けることができます。具体的には制度の趣旨に合致したデジタル関連投資に対して、5%または3%の税額控除、または資産の取得価額の30%の特別償却が認められています。

またDX認定事業者である中小企業の場合、設備投資等の資金に関する融資について、日本政策金融公庫から基準金利よりも低い金利で利用することができます。また銀行から信用保証協会付き融資を受ける場合にも、普通保険とは別枠での追加保証や保証枠の拡大を受けることが出来ます。

DX投資促進税制については詳しくこちらで解説していますのであわせてご覧ください。

②DX推進上の課題が整理される

DX認定の審査を受ける過程で、自社の状況を診断し、デジタル技術が自社の競争環境に与える影響などを確認していきます。このプロセスを経ていくなかで、自ずと自社にとってのDX推進上の課題が見えてくるようになるのです。

③自社の企業価値が高まる

DX認定を受けた事業者は、IPA(情報処理推進機構)のホームページで「DX認定制度 認定事業者一覧」に掲載されます。掲載されることでDXに積極的に取り組む企業としてのブランドイメージを高めることができます。また自社の名刺やWebサイト上でDX認定のロゴマークを使用することができます。

④DX銘柄の応募資格

DX銘柄とは、東証上場企業のうち、「企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を業種ごとに最大1~2社ずつ選定して紹介するもの」を言います。DX認定を受けることで対象となります。

DX認定制度の申請要件・申請手続きや取得方法、費用を紹介

無料で申請可能!DX認定制度の申請要件

DX認定制度に関する申請要件は以下の通りです。認定審査はIPAが行い経産大臣が認定します。

①対象事業者

すべての事業者が対象です。法人でも個人事業者でも申請可能です。法人は会社だけではなく、公益法人等も含んでいます。
DX推進に舵を切ることを決められたら申請することができます。

②申請期間

申請の受付期間は通年のため、いつでも申請可能です。
申請受理後、結果の通知までに3か月程度要します。

③認定期間

有効期間はDX認定の適用日から2年間です。認定を延長する場合は有効期限の60日前までに認定更新申請書を提出します。

④認定に係る費用

認定申請や認定の維持に係る費用は全て無料です。

DX認定制度の申請手続のやり方

①方針決定

デジタル技術による社会や自社を取り巻く経営環境の変化を踏まえ、自社の経営方針をどうするかを決定します。それと共にDX戦略の策定を行います。

DX戦略策定の観点は主に以下の3点です。

・経営ビジョンに基づくビジネスモデルを実現するための戦略を検討する
 (戦略立案においてはデジタル技術によるデータ活用を考慮する)
・体制・組織及び人材の育成・確保案を検討する
・ITシステムの整備に向けた方策を検討する

②gBizIDの取得

DX推進ポータルサイトへのログインのために、gBizIDを取得します。アカウント種別は不問となっています。
gBizIDについてはこちらで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

③DX推進指標の自己診断

下記のサイトで自社のDX推進状況に関する診断を受けることができます。この診断を受けることで、自社が利用する情報システムにおける課題を把握することができます。
なおこの手続は申請に必須のものではありません。

※DX推進指標 自己診断結果入力サイト

④申請書類の作成

下記のIPAのサイトから必要書類2点をダウンロードして記入します。
詳しい内容は事項で解説しています。

【必要書類】
・DX認定制度 申請チェックシート(Excel)
・DX認定制度 認定申請書(Word)

⑤DX認定の申請

DX推進ポータルサイトにログインして必要書類をアップロードします。

※DX推進ポータル

⑥認定後に「認定事業者一覧」へ認定申請書と共に認定事業者掲載

DX認定制度の必要書類

新規の申請に必要な書類は以下の通りです。

①DX認定制度 申請チェックシート
②DX認定制度 認定申請書

申請チェックシートでは以下の事項について自社の状況を確認していくことになります。この内容を確認した結果の要約を申請書の該当欄に記載することによって書類を作成していきます。

【確認事項】

ア)企業経営の方向性及び情報処理技術の活用の方向性の決定
イ)企業経営及び情報処理技術の活用の具体的な方策(戦略)の決定
ウ)戦略を効果的に進めるための体制の提示
エ)最新の情報処理技術を活用するための環境整備の具体的方策の提示
オ)戦略の達成状況に係る指標の決定
カ)実務執行総括責任者による効果的な戦略の推進等を図るために必要な情報発信
キ)実務執行総括責任者が主導的な役割を果たすことによる、事業者が利用する情報処理
ク)システムにおける課題の把握
ケ)サイバーセキュリティに関する対策の的確な策定及び実施

※申請に係るガイダンスはこちら

まとめ

DX認定制度について解説しました。

正直全国的に見てもDX認定を受けている事業者はまだまだ少なく、500の事業者程度です。実際の申請手続きについても、大変多くのことを検討しなければならないため、自社のメンバーのみでは十分な対応が取れないかもしれません。
一方で今後の自社のあり方を考えた場合、世の中は急速にデジタル化が進むことが予想され、早目に手を打たないと、気が付いたときは他社に後れを取っていたということにもなりかねません。

そうならないためにも、今のうちからDX認定のことを考え始めることがおすすめです。また、税額控除や融資制度の際にも役立ちます。
DX認定制度を活用したいが悩んでいる等ございましたら、ぜひ当社のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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