絞り込み部分一致の廃止とフレーズ一致の機能拡充で起こる問題とその対策とは?

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GoogleとYahooは、新規での絞り込み部分一致での設定を廃止し、フレーズ一致の機能を拡充させるアップデートを行うと発表しました。
今回は、このアップデートで起こると考えられる問題とその対策についてご紹介します。

※この記事では、便宜上Googleの発表内容を取り上げます。

まずは、この記事のまとめからです。

◎今回のアップデートでどのような問題が起きるのか?
きちんと対策をすれば大きな問題が発生することはないと考えられる。

 

◎アップデートの影響を受けにくくするための2つの対策

 

1.絞り込み部分一致の設定をフレーズ一致に切り替える
→Googleは、
 “既存の絞り込み部分一致キーワードによる広告配信は続行されますが、マッチング動作は新しいフレーズ一致キーワードと同一です。”
 このように発表しているが、フレーズ一致に切り替えれば憂なし

 

2.アップデート前の運用結果との比較を入念に行う
→・フレーズ一致に変更したことで、CVRやCPA等に変動がないか
 ・検索語句をしっかり確認し、意図した語句で表示できているか
 ・絞り込み部分一致を部分一致にするという手もある。その際は検索語句をチェックする
 ・結果を達成するための運用ができているか
以上の点を再確認する。

 

どのような問題が発生するのか

今回のアップデートでどのような問題が発生するのでしょうか。

本題に入る前に、まずは簡単に、マッチタイプのおさらいをしましょう。

絞り込み部分一致?フレーズ一致?マッチタイプを確認

「絞り込み部分一致」「フレーズ一致」と聞いてピンと来ない方々もいらっしゃると思います。
「絞り込み部分一致」「フレーズ一致」等のことをまとめてマッチタイプと呼ぶのですが、
このマッチタイプをもう一度おさらいしたい場合は、こちらの記事で詳しくまとめてありますので、ぜひご確認ください。

https://www.listing-partners.com/column/keyword_match_type/

マッチタイプのおさらいが済んだところで、今回のアップデートについて理解するために、Googleの発表内容を見ていきましょう。

Googleの発表内容をおさらい

Googleは今回のアップデートを次のように発表しています。

“Google 広告では 2021 年 2 月より、絞り込み部分一致(BMM)の動作をフレーズ一致に組み込むアップデートを開始しております。2021 年 7 月より、フレーズ一致と絞り込み部分一致のマッチング動作はすべての言語で新しいフレーズ一致動作に統一され、指定したキーワードの意味を含む検索であれば広告の表示対象となっています。” (フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について)

つまり、「絞り込み部分一致」という名称のマッチタイプがなくなり、「フレーズ一致」が「絞り込み部分一致」の大部分の機能を持つようになるアップデートが行われるということです。
このアップデートは、2021年2月から始まり、2021年7月に完了することとなっています。

また、新しいフレーズ一致について、下記のように説明しています。

“アップデート後のフレーズ一致は、従来のフレーズ一致の精度と、廃止された絞り込み部分一致のリーチを併せ持った動作で、マッチタイプの使い分けを簡素化することができます。新フレーズ一致のマッチング動作は、従来版フレーズ一致よりも拡張性に優れ、廃止された絞り込み部分一致よりはやや制限を強めた内容となります。” (フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について)

アップデート後のフレーズ一致は、従来のフレーズ一致より広範囲にリーチしつつも、キーワードと検索語句で意味が異なる場合には、広告を表示させない、というマッチタイプになります。

ここまでで、アップデートの概要が掴めたでしょうか?
それでは、今回のアップデートが行われた背景について考えてみましょう。

アップデートの背景

今回のアップデートの背景には、GoogleやYahooの機械学習の精度が上がったことで、フレーズ一致と絞り込み部分一致でのリーチに大きな違いが生まれなくなったことがあると考えられます。
そのため、Googleが発表しているように、フレーズ一致と絞り込み部分一致が統一されるというイメージを持つといいかもしれません。

Google・Yahooの検索広告を運用する上でどのような問題が発生するのか

本題に戻ります。今回のアップデートによって、Google・yahooの広告運用にどのような問題が発生するのでしょうか。
結論として、しっかりと対策を行えば、大きな問題が発生する可能性は低いと考えられます。
今回のアップデートを、フレーズ一致と絞り込み部分一致の統一と捉えると、検索広告のシステム自体に大きな変化が起こるとは考えにくいからです。 しかし、しっかりと対策を行う必要はあるかと思いますので、次はその対策の一部をご紹介します。

 

どのような対策が必要なのか

それでは、今回のアップデートへの対策の一部をご紹介していきます。

フレーズ一致に切り替える

これは言わずもがなかもしれませんが、マッチタイプが絞り込み部分一致のままの場合は、フレーズ一致に切り替える作業を行いましょう。
Googleの発表では、

“既存の絞り込み部分一致キーワードはそのまま運用でき、フレーズ一致の形式に変換してもパフォーマンス上のメリットはありません。” (フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について)

とされていますが、実際のところはどうなるのかわかりません。
備えあれば憂なし。絞り込み部分一致の設定をフレーズ一致に切り替えて、万全の備えをするといいと思います。
フレーズ一致に切り替えてからは、インプレッション数やクリック数などに大きな変化がないかを確認しましょう。

運用結果を入念に確認する

大きな問題は発生しないと考えられますが、運用結果にわずかな変化が見られるかもしれません。
そのわずかな変化が、後々、アカウント全体に悪影響を及ぼすかもしれません。
そのため、しばらくは結果を入念にチェックし、変化を見逃さないようにしましょう。
特に下記の4点をチェックするのがおすすめです。

絞り込み部分一致で運用してきた結果と比較する

しばらくの間は「CV数やCVR、CPA等が悪化していないか」「予算消化のペースに変化はないか」など、絞り込み部分一致で運用してきた結果との比較を、しっかりと行うのがおすすめです。

検索語句を見る

マッチタイプをフレーズ一致に変更したことで、意図していない検索クエリで表示される可能性も0ではありません。
そのため、運用結果を確認する際には、検索キーワードだけでなく、「検索語句」も確認するようにしましょう。

部分一致と除外ワードを設定する

上述のフレーズ一致に切り替えましょうという話と矛盾するようですが、これを機に絞り込み部分一致を部分一致にするという方向もありかと思います。
部分一致で設定した際には、意図しない検索クエリで表示されるのを防ぐために、管理画面の検索語句をチェックして、除外ワードの追加を検討しましょう。

さまざまなマッチタイプで運用する

これは今回のアップデートに限った話ではありませんが、運用型広告はさまざまなマッチタイプを利用することが大切です。 最近では、マッチタイプを「部分一致」のみで設定し、運用をプラットフォームのシステムに任せる風潮を耳にすることが多いです。
Google・Yahoo自身もこのような運用方法を推奨しているような雰囲気があり、今回のアップデートを踏まえ、今後のリスティング広告の運用方法に注目や議論が集まっています。 しかし、運用方法はあくまでも手段であり、最も重要なのは結果です。
「唯一最適な運用方法はこれだ」と決めて運用するよりも、結果を残すための運用方法を模索し、採用するという考え方が必要かと思います。
目標を達成したり成果を改善したりするために、さまざまなマッチタイプと除外ワードを駆使した運用を心がけるといいのではないでしょうか。

 

まとめ

この記事では、Google・Yahoo広告におけるアップデートについてまとめました。
この記事にまとめる中で、プラットフォームのアップデートに振り回されないためにも、運用型広告の本質的な考え方を理解することの重要性がわかりました。

それではもう一度、この記事のまとめです。

◎今回のアップデートでどのような問題が起きるのか?
きちんと対策をすれば大きな問題が発生することはないと考えられる。

 

◎アップデートの影響を受けにくくするための2つの対策

 

1.絞り込み部分一致の設定をフレーズ一致に切り替える
→Googleは、
 “既存の絞り込み部分一致キーワードによる広告配信は続行されますが、マッチング動作は新しいフレーズ一致キーワードと同一です。”
 このように発表しているが、フレーズ一致に切り替えれば憂なし

 

2.アップデート前の運用結果との比較を入念に行う
→・フレーズ一致に変更したことで、CVRやCPA等に変動がないか
 ・検索語句をしっかり確認し、意図した語句で表示できているか
 ・絞り込み部分一致を部分一致にするという手もある。その際は検索語句をチェックする
 ・結果を達成するための運用ができているか
以上の点を再確認する。

 

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
運用型広告の知見と経営者として自社の採用に携わっている経験を元に様々な業種の採用改善に携わる。

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