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【事業再構築補助金】建物費は何に使える?徹底解説!

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事業再構築補助金は新型コロナウイルスの流行により、需要が激減し経営に大きな影響がある中で新しい市場への進出や、事業・業種転換など思い切った事業再構築に挑戦する中小事業者を支援するためにできた国の補助金です。

もともとはコロナ禍で経営にダメージを受けている(売上が減少している)ことが申請にあたっての必須要件でしたが、最近(2023年度)の申請回では売上高減少要件が撤廃されるなど、対象となる事業者が大幅に増加し注目を集めています。

今回はそんなポストコロナで前向きに頑張っていく中小企業を応援する事業再構築補助金の中でも、他の補助金で対象になりにくい「建物費」について解説していきたいと思います。

(内容は執筆時点 第11次締切回の公募要領に準拠しております。)

 

事業再構築補助金の概要

 

建物費の解説の前に事業再構築補助金に関して概要を理解しておきましょう!

事業再構築補助金は市場進出、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。

 

補助対象経費の例

 

補助対象となる経費の例は以下の通りとなります。

建物費(建物の建築・改修等)、機械装置・システム構築費、技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、外注費(加工、設計等)、 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)、研修費(教育訓練費等)等

【注】 補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費、不動産、汎用品の購入費は補助対象外です。

 

建物費について解説

 

それでは事業再構築補助金の建物費について見ていきましょう!

まず大前提として事業再構築補助金で補助対象となる経費は、新事業の対象として明確に区分できる必要があるとされています。つまり既存事業にも流用可能なものであってはならないということになります。

また、基本的に補助対象経費は補助事業実施期間内に支払いを完了したものである必要があります。

 

建物費とは?

 

事業再構築補助金における建物費は、建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転など幅広い内容が対象となります。

公募要領(第11回締切)では以下のように定められています。

  1. 専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
  2. 補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
  3. 補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費
  4. 貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)

1.に「専ら補助事業のために使用される〜」とあるので、事業再構築で申請する新事業以外の事業と明確に区分されて使用される形でないと対象にならないことに注意しましょう。

 

実際の採択例

 

対象となる建物費の説明を見た上で、具体的なイメージを持っていただくために実際の採択例を見てみましょう。

事業再構築補助金事務局HPの第10回公募採択結果公表のページ(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/result.php)から、実際に採択された事業計画の中で建物費を申請していると思われるものの一例をご紹介いたします!

  • 閉店した飲食店を改修した戸建による宿泊事業
  • ロードサービス事業に付帯する自動車賃貸業の車両管理施設の建設
  • 観光・ビジネス客をターゲットとしたカフェ併設のゲストハウス
  • ショールーム新設による内装業からリフォーム業への新市場進出
  • 老舗温泉旅館が仕事と憩いが共存するコワーキングスペースへ
  • 古民家を活用したサウナ付き宿泊施設運営
  • 学生寮を改装し、観光・医療滞在向けに快適な宿泊空間を提供する
  • 旅館再生!建設業の強み活かして、地域活性化に貢献する宿泊事業展開

 

建物費申請にあたっての注意点

 

これまで見てきたように、事業再構築補助金における建物費は建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転など幅広い内容が補助対象となっており、これらの新事業を計画している中小企業にとって非常にありがたいものになっています。

そんな便利な建物費ですが、申請に際していくつか注意点があるのでまとめて押さえておきましょう!

 

建物の撤去、賃貸物件等の現状回復のみでは対象とならない

 

事業再構築補助金では、事業拡大につながる事業資産への相応の規模の投資を行うことが必要と公募要領に明確に書かれています。

そのため、建物の撤去費用や賃貸物件の現状回復など資産とならない経費については対象となりません。

つまり上記「建物費とは?」の項目にある2と3の経費のみの事業計画では補助金支援対象とはなりません。

 

「構築物」は対象とならない

公募要領には下記の通り明記されています。

“減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)における「建物」、「建物附属設備」に係る経費が対象です。「構築物」に係る経費は対象になりませんのでご注意ください。”

 

よく理解するためにそれぞれの定義を確認しましょう。

 

「建物」

不動産登記法における建物の定義は、”建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。”とされています。

また、以下の要件を満たすことが求められます。

・外気分断性:壁などで囲まれて外気と分断されること

・定着性:その土地に定着していること

・用途性:住宅・店舗・工場など、建物としてその用途性があること

 

「建物付属設備」

建物付属設備とは、建物に固定されて一体となってその建物自体の価値を高めるものを言います。例として以下のものが挙げられます。

・電気設備(照明設備含む)

・給排水又は衛生設備及びガス設備

・冷房、暖房、通風又はボイラー設備

・エレベーター/エスカレーターなどの昇降機設備

・消火、排煙又は災害報知設備及び格納式避難設備

・エヤーカーテン又はドアー自動開閉設備

・アーケード又は日よけ設備

(減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一より)

 

「構築物」

構築物とは、上記の建物や建物付属設備以外でその土地に定着しているもののことを言います。建物付属設備との大きな違いは建物に固定されているかどうかということになります。

具体的な例としては以下のとおりです。

・門

・塀

・看板

・庭木、花壇

・井戸

などです。ただし上記は一例ですので、申請にあたっては専門家に必ず確認を取るようにしましょう。

 

建物の改修が中心

 

以前は新築の建物の建設についても原則認められていましたが、直近の公募要領では「※建物の新築については必要性が認められた場合に限る。」と記載されており、新築の必要性に関する説明書を別途提出し認められなければ補助対象経費とならないことになっています。

つまり、補助事業を行うにあたってその新築の建物が必要不可欠であることとその建物を新築する以外に代替手段が存在しないことを説明しなければなりませんので注意しましょう。

 

入札、相見積もりが必要

 

公募要領には建物費として申請するためには必ず入札・相見積もりが必要になることが書かれています。また、その見積が市場価格と乖離している場合は認められないことにも注意が必要です。

見積取得にも時間を要するため、申請の準備段階であらかじめ複数の事業者から早めに見積を取得しておくとスムーズです。

 

まとめ

今回は、今第注目の事業再構築補助金の大きな特徴である建物費について、その概要と注意点を分かりやすく解説いたしました。

中小企業等の思い切った事業再構築を支援する非常に有効な補助金ですので、最新の公募要領をよく理解し適切に申請するようにしましょう!

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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