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【事業再構築補助金2023】みなし大企業は申請不可?持ち株、子会社、親会社は?解説

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今回は、事業再構築補助金に「みなし大企業」は申請できるのか?について解説します。 

ポストコロナ・ウィズコロナ時代を生き抜く中小企業等にとって、思い切った事業再構築を行うための切り札的制度である「事業再構築補助金」ですが、この制度の利用にあたっては様々な条件をクリアする必要があります。 

その一つが企業規模に関する条件です。 
結論として、「みなし大企業」は事業再構築補助金の申請対象外です。
では、どういう企業が「みなし大企業」に当てはまるのでしょうか?

また、あわせて、持株会社、子会社、親会社の場合はどうかについてもご紹介していきます。

はじめに、そもそも事業再構築補助金とはどんな補助金なのかについて、簡単におさらいしていきます。

事業再構築補助金とは?おさらい 

制度の目的 

中小企業等の新分野展開、業態転換、業種転換等の思い切った「事業再構築」への挑戦を支援する補助金制度です。

主な申請要件 3点

①売上減少 

2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前(2019年または2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少 

※第10次公募から売上減少要件は撤廃される予定です。

②事業再構築に取り組む 

③認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する 

制度の枠と補助金額 

利用目的別に以下の6つの制度枠があり、それぞれ利用可能な補助金枠や補助率が決められている。 

申請枠 

補助金額(上限) 

補助率 

通常枠 

従業員数に応じて 

2,000万円~8,000万円(最低100万円) 

中小企業:2/3 

(6,000万円超は1/2) 

中堅企業:1/2 

(4,000万円超は1/3) 

大規模賃金引上枠 

従業員数101人以上の企業が対象 

8,000万円超~1億円 

中小企業:2/3 

(6,000万円超は1/2) 

中堅企業:1/2 

(4,000万円超は1/3) 

回復・再生応援枠 

従業員数に応じて 

500万円~1,500万円(最低100万円) 

中小企業:3/4 

中堅企業:2/3 

グリーン成長枠 

中小企業:1億円以下(最低100万円) 

中堅企業:1.5億円以下(最低100万円) 

中小企業:1/2 

中堅企業:1/3 

原油価格・物価高騰等緊急対策枠 

(緊急対策枠) 

従業員数に応じて 

1,000万円~4,000万円(最低100万円) 

中小企業:3/4 

中堅企業:2/3 

最低賃金枠 

従業員数に応じて 

500万円~1,500万円(最低100万円) 

中小企業:3/4 

中堅企業:2/3 

 引用元:事業再構築補助金 第9回公募要領(事業再構築補助金事務局)

事業再構築補助金第10回の概要や第9回からの変更点につきましては、以下のコラムでご紹介しておりますのでぜひご覧ください。

また、第10回の公募要領がでましたら当コラムにてご紹介いたします。

コラム:【事業再構築補助金2023】重要な変更点を解説!売上高減少要件の撤廃 

対象企業 

中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合等が対象 

※大企業は利用の対象外 

事業再構築補助金の「よくあるご質問」には下記のQ&Aの記載があります。

Q4.みなし大企業は、中堅企業として申請することが可能か。
A.みなし大企業は中堅企業として申請することはできません。

ではそもそも「みなし大企業」とはどんな企業を示すのでしょうか。

みなし大企業制度とは? 

みなし大企業が定義されている理由 

事業再構築補助金制度は、コロナの影響を受けて事業再構築に挑戦する中小企業や中堅企業等を対象にする制度です。 

したがって大企業は元々制度利用の対象外となっています。 

しかし中小企業や中堅企業の中には、大企業の関連会社や子会社となっている企業(みなし大企業と言います)もあります。 

そのような企業がこの制度を利用すると、実質的に大企業に対して補助金の利用をさせるのと同様な結果になってしまうため、みなし大企業はこの制度の利用対象外とされ、その要件は厳格に定義されています。 

中小企業・中堅企業とは? 

それでは中小企業(公募要項では「中小企業者と定義」)や中堅企業とはどういったものでしょうか? 

中小企業とは、一定の資本金額および従業員数のいずれかを満たす会社、および個人事業主のことを言います(以下の表参照。資本金、従業員数共以下の数字となること)。 

また中堅企業等とは、公募要項上では中小企業や企業組合等、公益法人等以外で主に資本金の額(または出資の総額)が10億円未満の企業、資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、従業員数が2,000人以下の企業を言います。 

【中小企業とされる企業等】 

業種 

資本金 

従業員数(常勤) 

製造業・建設業・運輸業 

3億円 

300人 

卸売業 

1億円 

100人 

サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) 

5,000万円 

100人 

小売業 

5,000万円 

50人 

ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤおよびチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 

3億円 

900人 

ソフトウェア業・情報処理サービス業 

3億円 

300人 

旅館業 

5,000万円 

200人 

その他の業種(上記以外) 

3億円 

300人 

引用元:事業再構築補助金 第9回公募要領(事業再構築補助金事務局)

みなし大企業とは? 

「みなし大企業」とは、この補助金制度の中で使われている用語です。 
この「みなし大企業」の具体的な内容について説明します。 

以下の項目のいずれかに該当する企業が「みなし大企業」とされます。  

(1) 発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業 

(2) 発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業者 

(3) 大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者 

(4) 発行済株式の総数又は出資価格の総額を(1)~(3)に該当する中小企業者が所有している場合の中小事業者 

(5) (1)~(3)に該当する中小企業者の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている中小事業者 

※ここで言う「大企業」とは、中小企業基本法に規定する中小企業者以外の者をいいます。

 各業種において資本金、従業員とも上記の表「中小企業とされる企業等」の数字を超える場合は大企業に該当します。 

※また自治体関連の公的機関も大企業と見なされます。 

※以下の機関が株式を保有する場合は、その保有比率等をもって上記のみなし大企業の規定は適用されなくなります。 

・中小企業投資育成株式会社法に規定する中小企業投資育成株式会社 

・投資事業有限責任組合契約に関する法律に規定する投資事業有限責任組合 

みなし大企業の判定時期 

事業再構築補助金制度において申込企業が、制度の対象とする中小企業、または中堅企業等に該当するかどうかの判定は、補助金事業の公募開始日において行われます。また補助金の対象事業期間中もその条件を満たしている必要があります。 

したがって、事業実施期間中に増資などを計画したり、従業員数を増やしたりして条件を逸脱することのないよう、注意する必要があります。 

持株会社、子会社、親会社の場合は申請できるか

事業再構築補助金について申請ができるかは「50%超の議決権を有する子会社は同一法人とみなされる」という部分に該当するかどうかによって変わります。
本補助金は、「同一法人は1事業者1申請のみ」のため、例えば上記の状況である子会社と親会社は、どちらかの会社しか申請できない、ということになります。

持株会社も要件にあてはまれば、対象となります。

また、公式HPのよくあるご質問には、子会社、親会社についての下記の記載があります。

Q.6子会社が業態転換する際、親会社が申請できるか。

A.子会社が申請者になります。
(連結決算をしている場合には、親会社が応募申請して主たる事業実施場所を子会社とすることも可能ですが、その場合は親会社が付加価値額を増加する必要があることに加え、補助事業に係る財産管理等も含め、すべての責任を負っていただく必要があります。)

よくあるご質問 補助対象者について

加えて、「50%超の議決権を有する子会社は同一法人とみなす」の例も記載します。

Q.7公募要領に「50%超の議決権を有する子会社は同一法人とみなす」
という記載があるが、例えば、
A社:株主構成 α氏(個人) 100%
B社:株主構成 A社40%、α氏(個人)20%
の場合、B社はA社の同一法人とみなされ、A社とB社がそれぞれ申請することはできないのか。

A.α氏は、A社の50%超の議決権を有するため、同一法人とみなします。
ただし、個人と法人は別個の人格であり、A社は、B社の50%超の議決権を有しないため、A社とB社はそれぞれ申請することが可能です。
また、親会社が議決権の50%超を有する子会社が複数存在する場合、親会社と複数の子会社は全て同一法人とみなし、このうち1社のみでの申請しか認められません。

よくあるご質問 補助対象者について

まとめ 

事業再構築補助金のみなし大企業規定や持株会社、子会社、親会社の場合はどうかについて説明してきました。 

本件のようなみなし大企業の規定は、他の補助金制度でもよく見られるようです。 

大企業は知名度もあり、多様な資金調達手段があるので、本件のような補助金は利用対象外とされるのはやむを得ず、合理性のある内容だと思います。 

中小企業や中堅企業等の経営等に携われる皆様方としては、みなし大企業の規定や子会社等の内容をよくご理解いただき、せっかくの補助金利用の機会において、利用対象外になってしまうようなことのないよう、ご留意いただければと思います。

当社、アクセルパートナーズは、事業再構築補助金第1回公募から事業者様の支援を行っております。応募申請だけでなく、交付申請、実績報告といった先のサポートまでサービスメニューをご用意しております。

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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