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雇用調整助成金 新型コロナウイルスの影響で支給要件が緩和

  • 2020年02月20日
  • 著者横井ゆきえ

厚生労働省が、新型コロナウイルス感染症により影響を受ける事業主を支援するため、雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大を今後行うことが決まりました。(令和2年4月10日)

雇用調整助成金は、従業員の雇用を維持することが目的の助成金で、原則返済は不要です。
支給要件に当てはまる事業主の方はぜひ活用していただきたいと思います。

雇用調整助成金とは

経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。

新型コロナウイルスの雇用調整助成金の特例措置

新型コロナウイルスに関する雇用調整助成金の特例措置の緊急対応期間は、令和2年4月1日~6月30日です。この期間中は全国で特例措置を実施します。

出典:厚生労働省 (新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置のさらなる拡大について)

特例の対象となる事業主

今回の特例は新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(全業種)です。

緊急対応期間(令和2年4月1日~同年6月30日)の休業等の上乗せ特例

休業又は教育訓練を実施した場合の助成率を大幅に引き上げます。

・休業を実施した場合の休業手当
・教育訓練を実施した場合の賃金相当額
・出向を行った場合の出向元事業主の負担額

これらの負担額に対する助成割合は
・大企業は2/3 (解雇を伴わない場合4/3)
・中小企業は5/4 (解雇を伴わない場合9/10)
※ただし上限額は1人1日あたり8335円。(令和元年8月1日現在)

支給限度日数は1年間で最大100日、3年間で150日までに加え、別枠で令和2年4月1日から6月30日までの期間

教育訓練の加算額を大幅に引き上げます。

上記期間内において、教育訓練が必要な被保険者の方に対して教育訓練を実施した場合の加算額(対象被保険者1人1日当たり)を、中小企業については1,200円から2,400円へ、大企業については1,200円から1,800円に引き上げます。

教育訓練の範囲を大幅に拡大します

上記期間内において、自宅でのインターネット等を用いた教育訓練もできるようするなど教育訓練の範囲の拡大を行うとともに、教育訓練の受講日に教育訓練を受けた労働者を業務に就かせても良いこととします。

生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮します。

最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ5%以上減少していれば、生産指標の要件を満たします。

最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象とします。

通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象となりませんが、その要件を撤廃します。

雇用保険の被保険者でない労働者も対象とします

通常、助成金が対象とするのは雇用保険に6カ月以上加入している労働者とするのが原則となっていますが、雇用保険の被保険者でない労働者も対象とします。

雇用調整助成金を活用しやすくするための運用面の特例

休業等計画届の事後提出が可能な期間を延長します。

通常、助成対象となる休業等を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要ですが、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、令和2年6月30日までに提出すれば、休業等の前に提出されたものとします。

短時間休業を大幅に活用しやすくします。

短時間休業については、従来、事業所等の労働者が一斉に休業する必要がありましたが、事業所内の部門、店舗等施設ごとの休業も対象とするなど、活用しやすくします。

休業規模の要件の緩和

対象労働者の所定労働日数に対する休業等の延日数の割合(休業規模要件)について、中小企業は1/20以上、大企業は1/15以上としていましたが、これを中小企業は1/40以上、大企業は1/30以上に緩和します。

残業相殺制度を当面停止します。

支給対象となる休業等から時間外労働等の時間を相殺して支給すること(残業相殺)を当面停止します。

申請書類の大幅な簡素化

新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置に関する申請書類等については、大幅に簡素化し、事業主の申請手続きの負担を軽減するとともに、支給事務の迅速化を図ります。
具体的には、
・記載事項の半減(自動計算機能付き様式の導入や残業相殺の停止等)
・記載事項の簡略化(休業等の実績を日ごとではなく合計日数のみで可とする)
・添付書類の削減
などを行います。
また、出勤簿や給与台帳でなくても、手書きのシフト表や、給与明細のコピー等でも良いとするなど、事業所にある既存の書類を活用して、添付書類を提出することができるようにします。

その他の主な支給要件

また、特例措置以外にも、従来通りの支給要件も満たす必要がありますので、申請の際は確認して下さい。
<その他の主な支給要件>
雇用保険適用事業所の事業主であること。
労使間の協定により休業等をおこなうこと。
・支給のための審査に協力すること。

まとめ

今回、コロナウイルスの特例要件に該当した事業者の方は、ぜひ活用していただいて少しでも雇用を維持する方法を検討してみてはいかがでしょうか。
まずはお近くの労働局・ハローワークに相談することをおすすめします。
雇用調整助成金に関する相談窓口はこちら

また、現段階ではさほどコロナウイルスの影響を受けていない事業者の方も、景気の減速などで長期的に業績悪化が心配だ、という場合は「雇用調整助成金」について確認しておいても損はないと思います。
雇用調整助成金ガイドブック

(2020年4月10日加筆修正)