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建設業の人手不足解消 働き方改革で人材を確保した成功事例

  • 2020年02月19日
  • 著者今井志津

建設業は、暮らしや経済活動を支える存在。
国土の安心・安全・快適な暮らしをまもり、地方での雇用を生みだし、地域経済をささえる産業として、大切な社会的役割をはたしています。

2010年以降、東北の震災復興や東京オリンピックを控えた大型施設の建設ラッシュなどにより、設備投資が増加傾向で、全般的に好調な業績です。

しかし、建設業者数は1999年度の60.1万業者をピークに、2018年度は46.8万業者にまで減少。また、建設業就業者数も1997年をピークに減少し、2008年頃からは500万人前後を維持しています。そのうち、55歳以上が約3割で、29歳以下は約1割です。

2020年代後半になると、団塊世代が大量に離職することが見込まれ、一層の人手不足が予想されます。

なぜ、建設業では若者離れがおこるのでしょうか。

・全産業と比較して年間300時間以上の長時間労働
・他産業では一般的な週休2日制も十分に確保されておらず
・給与も上昇傾向にあるものの、製造業と比べ低い水準にある

以上のような理由により、人材が集まりにくくなっていると思われます。
特に現状は、新卒採用において、学生側が優位である売り手市場と言われており、中小企業では人材不足がより深刻です。人材不足が原因で、事業が行き詰まる企業が増えていくことが予想されます。

そこで、「ヒト」に重きを置いて、早々に働き方改革や人材教育をおこなうことで、安定した人材採用をおこなってきた企業の成功事例がいくつかあります。

・なぜ成功したのか?
・成功事例には何か共通点はないか?
・自社が取り入れるヒントはないか?
という視点で見ていきたいと思います。

1.社員からのボトムアップで施策導入 地域密着型の成功事例①

「地域の顔」としてだけでなく、社員の仕事と生活のバランスをサポートする働き方の施策を導入する企業です。
成功事例①はこちら

成功事例①についてまとめてみます。

【社長の想い】

・「地域がよくならなければ、自分たちの会社はよくならない」
・「中小企業は来てくれる人材に、いかに活躍してもらえるかがカギ」

1)まずおこなったこと

建設現場でICT技術を積極的に活用し、作業の負担を減らす。作業効率のアップにつながり、作業時間が短縮できることで、人事施策を導入できるベースをつくる。

2)導入した人事施策

■定年を65歳まで延長する

 

■「ワークライフバランス休暇」を導入する

[目的]:仕事と生活のバランスをとること
[実例]:PTA役員活動のために休暇を取得する
[想い]:社員一人ひとりが地域で活躍したほうが、領域や幅が広がる

■「子の看護のための休暇」を導入する

[目的]:子どもの送迎や急な病気のため、勤務時間中30分単位で休暇を取得できる
[実例]:発熱など子どもの急なお迎えのために取得する
[想い]:社員から会社への要望を聞き、社員の声を反映する

■「リフレッシュ休暇」を導入する

[目的]:一つの現場が終わると、休日出勤した日数分をまとめて休暇を取得できる(最長1カ月間)
[実例]:家族旅行や趣味の時間のために取得する
[想い]:一つの現場が竣工し、一段落したらまた新鮮な気持ちで英気を養って、安全に工事に取り組んでほしい

3)人材教育

社員に対してモデルとなるキャリアプランを作成して、会社と成長していくイメージを持てるようにしている

労働環境が柔軟であれば、必ず社員のモチベーションが上がり、お客様の満足度が向上し、会社の経営にプラスになるといった好循環になる。小さな改善の積み重ねで生産性を上げていく」という狙いがあるようですね。
そして、社長自身が想いを直接伝えていることが、大きなポイントであると感じます。

 

2.30年前から始めた「働き方改革」 長い時間でつくりあげた成功事例②

新卒採用の企業説明会で学生が1人も来なかった、ことから「一流の中小企業を目指そう」を合言葉に魅力ある職場づくりを進めてきた企業です。
成功事例②はこちら

成功事例②についてまとめてみます。

【社長の想い】

・「他の会社でやっていないことをすることで、一流の中小企業を目指すということを理解するのに時間がかかった」
・「この先、事業が厳しくなれば、オンとオフのバランス重視とばかりは言っていられなくなる。社員には『ぬるま湯につかっていてはいけない』と常々言っている」
・安定した業績維持を伴わないと、これまでの職場改善が無に帰してしまうことへの危機感を、社員と共有したい

1)導入した人事施策・取り組み

■週休2日制の導入、取得促進を徹底する

年次有給休暇の取得が進まない社員は、社内で名前を掲示したり、呼び出して注意し、取得をうながす
土曜勤務の場合は、平日に代休を取得させる

■残業は基本的にみとめない

 

■仕事を特定の人が担当することを防ぐ

出産や育児などの休暇取得で、業務に支障が出ないようにするため、職場全体で業務を補完する体制を整える
特定の人に仕事のノウハウが集中しないように、能力開発や人事配置を行う

■顧客に経営方針への理解をもとめる

休暇の取得推進や残業なしの経営方針を顧客にも理解してもらうため、営業マンが直接出向いて、業務時間について基本的な考え方を説明する

このような取り組みにより、若い人材の志望者が目に見えて増えてきたようです。企業合同説明会にもほとんど参加しないため、採用コストほぼゼロ
今後は、社員がさらに効率的に仕事に取り組むことが求められています。働き方改革も一歩進めて、社員間のコミュニケーションの促進も必要と考えているようです。
社員のしあわせと仕事のバランス、この2つを両立するためには改善をし続けることが大切なのだと感じました。

 

3.「つくるひとをつくる」をモットーに安定採用している成功事例③

「つくるひとをつくる」を社是として、社員第一主義を掲げた経営を展開して、人材を確保している企業です。
成功事例③はこちら

成功事例③についてまとめてみます。

【社長の想い】

・「資産もない会社に残るのは社員だけだ」
・「少なくとも、社員が会社に誇りや愛着がないと、お客さまを満足させることもできない」
・福利厚生はあくまで環境作りで、仕事の本筋は「やりがい」にある

1)導入した人事施策・取り組み

■長期療養の際の特別休暇を拡大する

社員が長期間病気で休まざるをえない時、自動的に有給休暇を2か月付与する
また、高度な先進医療を必要とする治療に対しては、最高300万円を支給する

■建築現場に女性専用トイレを完備する

 

■社内保育所を新設する

子育てを理由に退職せず、働ける環境を整備する

■新入社員用の寮を新設する

任された建設現場へ直行・直帰が多いので、寮を新設し、共同スペースで経験や悩みを語り合い、仕事への理解を深める環境づくりをする

■ムダな残業や出勤をなくす

 

■月に一度、会食費を支給する

担当の先輩社員に仕事の不安を相談するため、月に1度、会社から会食費が支給される

2)人材教育

■社内大学を毎月開催する

社内大学を開催し、テーマに応じて研さんを積むチャンスを提供することで、社員の向上心に応える

■毎朝、本社より健康管理の電話をする

「今日も元気ですか?」「今日は残業を予定していますか?」と確認することで、社員が自己管理を意識し、計画的に仕事を進められることにつながる

女性が少ない建設業界において、社内女性比率27%と高い水準を保っています。また、学生には、事業の成長には必要な残業もあることをしっかり説明し、納得して入社するように対話を繰り返すそうです。
若い社員の成長をみて、社員第一の経営理念の大切さを再認識し、「一緒に成長していけることが何より大事」という姿勢で取り組みをおこなっていることが、人材の確保に成果がでている要因ではないかと感じました。

4.まとめ

「働き方改革」で成果がでている、3つの成功事例をみてきました。

1)「社員を大切にする」社長の想いが伝わってくる
2)社長が、社員とコミュニケーションをとって、意思の疎通をはかっている
3)社員が、職場環境に満足しており、仕事にやりがいをもって、会社に貢献しようとしている

以上のような共通点があるのでは、と感じました。
みなさんはいかがでしたでしょうか。

あくまでも事例であり、すべての会社がまったく同じことをしても、同じ結果になるとは限りません。
ただ、多くの参考になる点もあるのではないかと思います。

人材不足が叫ばれている建設業界において、今後さらに競合他社とも「ヒト」の取り合いになることが予想されます。「独自の魅力ある職場づくり」が、人材確保につながる一つのヒントになるのではないでしょうか。
今後も中小企業のみなさんを応援していきたいと思います。