【事業再構築補助金2023】10次からの重要な変更点を解説!売上高減少要件の撤廃

2023年度の事業再構築補助金では、大幅な見直しが行われています。
そのため、従来よりも活用しやすく、より大胆な取り組みを行うことができるようになります。

事業再構築補助金を活用したいと思っている事業者の方はもちろん、売上が拡大しているために諦めていた事業者さんや、これまで活用を考えたことのなかった事業者の方も、ぜひ検討してみてください!

2023年度の事業再構築補助金の変更点

事業再構築補助金8次公募と9次公募の違いはほぼありません

2022年12月、中小企業庁より「令和4年度第二次補正予算の概要」が発表されました。従来に比べて要件が緩和されるとともに、より大規模な取り組みを支援するための枠が新設されます。

2023年1月現在、9次公募が始まっていますが、8次公募からの大きな変更点はありません。新たな仕組みは、2023年3月末から公募開始予定の10次公募以降の適用とされています。変更点の内容を押さえて、公募開始に備えましょう。

2023年度以降 10次公募から公募枠が大幅に変更

まずは、10次以降の公募枠の概要を見ていきましょう。
10次公募からは、従来の枠の大幅な見直しが行われ、より規模の大きな取り組みができる2つの枠が新設されます。

概要

補助金額上限

補助率

成長枠

旧「通常枠」。事業再

構築に大胆に取り組む事業者

最大

7,000万円

1/2

グリーン

成長枠

エントリー

グリーン分野での事業再構築を目指す事業者

最大

8,000万円

1/2

スタンダード

1億円

1/2

最低賃金枠

最低賃金引上げへの対応が難しい事業者

最大

1,500万円

3/4

物価高騰対策・

回復再生応援枠

原油や物価の高騰の影響を受ける事業者・業況の厳しい事業者

最大

3,000万円

2/3(一部3/4)

産業構造転換枠

市場の縮小など、業界の構造的な課題に直面する事業者

最大

7,000万円

2/3

サプライチェーン

強靭化枠

海外展開から国内回帰を進め、国内の調達網や地域産業の活性化につながる取り組みを行う事業者

最大

5億円

1/2

(参照:事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要

前提条件が緩和され、「通常枠」は「成長枠」に!売上高減少要件の撤廃

従来の応募要件には、売上高や付加価値額の減少がありました。

しかし、10次公募以降はこの要件が撤廃されることになっています。このことから、厳しい状況から再構築に取り組む事業者に加えて、積極的に事業再構築を進めたい事業者の応募も可能となります。

これに伴い、従来の「通常枠」は新たに「成長枠」となります。事業再構築補助金が、マイナスからの持ち直し・成長の意味合いの強かった従来の性質から、積極的な成長を支援する性質へと変わってきていることがうかがえます。

全枠に共通する必須要件

全枠に共通している応募時の必須要件は以下の通りです。

●事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む

●以下のどちらか

A.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加

B.従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加

成長枠(旧通常枠)の対象者

一番公募者が多いと予想される成長枠の対象者について、現段階で分かっている情報をご紹介します。

上記の全枠共通の必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均4.0%以上増加を求める。)に加え、以下の要件をいずれも満たすことで対象となる。

①取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態(※事務局指定 詳細は下記)に属していること

②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

※対象となる業種・業態は、事務局によって指定され、公募開始時に事務局HPで公開予定です。
また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データを提出し、認められた場合には、対象となり得るようです。

厳しい状況の事業者には手厚い支援

従来に引き続き、厳しい状況の事業者への支援は以下の2枠で手厚く行われます。

最低賃金枠

従来から引き続き、最低賃金枠が継続されます。応募要件にも変更はなく、売上高または付加価値額の減少と、従業員の賃金における要件があります。

物価高騰対策・回復再生応援枠

従来の「回復・再生応援枠」と「緊急対策枠」が併合された新たな枠です。特に、従来の「回復・再生応援枠」の要件には、大幅な売上高や付加価値額の減少がありましたが、新たな枠では要件が緩和されています。また、再生計画の策定は引き続き必要です。

補助上限率と補助額は、従業員と企業の規模によって以下のように設定されています。

従業員規模

補助上限額

補助率

5人以下

1,000万円

 

中小企業:2/3

中堅企業:1/2

6~20人

1,500万円

21~50人

2,000万円

51人以上

3,000万円

(参照:事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要

グリーン成長枠の細分化で取り組みやすく

グリーン成長枠のうち、新たに「エントリー」と「スタンダード」の区分が設けられます。どちらもグリーン分野の成長のための取り組みの中で、研究開発や人材育成が求められ、付加価値額の達成目標が定められています。「スタンダード」は従来の要件を踏襲したもので、「エントリー」はより取り組みやすく要件が緩和されたものです。また、要件の一つとして新たに給与支給総額の増加目標も加わっています。

【エントリー】

企業規模

従業員規模

補助上限額

補助率

中小企業

20人以下

4,000万円

1/2

21~50人

6,000万円

51人以上

8,000万円

中堅企業

1億円

1/3

【スタンダード】

企業規模

従業員規模

補助上限額

補助率

中小企業

1億円

1/2

中堅企業

1.5億円

1/3

(参照:事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要

大規模な取り組みに関わる枠を新設

業界全体や地域産業にも関わる、より大規模な取り組みを応援するための枠も新設されます。

産業構造転換枠

国内市場の縮小に伴い、事業の再構築を要する場合に支援を受けられるものです。業界や地域に大きな影響を与える、撤退や廃業などに関することを支援します。補助対象経費としては廃業費も含まれ、最大2,000万円の上乗せが認められます。

従業員規模

補助上限額

補助率

20人以下

2,000万円

中小企業:2/3

中堅企業:1/2

21~50人

4,000万円

51~100人

5,000万円

101人以上

7,000万円

(参照:事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要

サプライチェーン強靭化枠

反対に、海外工場などを撤退して、国内回帰を進める事業者への支援も行います。国内の調達網が強化され、地域産業の活性化にも繋がることが期待されます。要件には、取引先からの国内での増産要請があること、市場規模が10%以上拡大している、またはする見込みのある業種・業態であることがあります。賃金引き上げに関する要件を満たすことも必要です。

 

補助上限額は5億円とされており、ほかの補助金でも類を見ない大型の枠です。しかし制度の詳細は2022年12月時点で検討中とのことであるため、新たな情報を確認しましょう。

賃上げは引き続き重視

10次公募以降は、従来の「大型賃金引上枠」は廃止されます。しかし、賃上げを重視する傾向は変わらず、インセンティブとして求められます。成長枠やグリーン成長枠の上乗せ枠として、「卒業促進枠」「大規模賃金引上促進枠」が新設され、補助率の引き上げを受けることができます。要件には従業員数も関わっており、事業をより強く、大きくしていくことも強く求められています。

まとめ

2023年度からの事業再構築補助金は、内容に大きな変更があります。
枠の新設・統合によって、より幅広い取り組みの支援が受けられるようになるでしょう。また、補助金の性質自体も、マイナスからプラスではなく、積極的にプラスを目指すものとして変化しつつあります。基本的な要件も緩和されるため、これまで対象ではなかった事業者も申請しやすくなります。

大規模な取り組みや大胆な転換をしたいと思っている事業者の方は、ぜひ事業再構築補助金を検討してみてください。

実際、10次の公募がどうなるかは、追って本サイトで解説していきたいと思います。

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