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【中小企業の成功事例】差別化集中とは?競争戦略で競争を回避し利益をあげよう

  • 2020年07月05日
  • 著者今井志津

新型コロナウイルスを機に、中小企業においても方向転換を余儀なくされています。
東京では新規感染者数が再び100人を超えるなど、今後も新型コロナ対策を踏まえた、新たな取組みが必要になってきます。

新たな取組みを考える際に、競争戦略の視点で考え、利益をあげる考え方があります。
中小企業白書をもとに、参考事例もご紹介します。

 

1.競争戦略とは

企業の競争戦略について、マイケルポーターは3つに類型化できると提唱しています。そのうちの集中戦略をさらに2つに分けた類型は以下のとおりです。


(出所:2020年版中小企業白書)

 

①コストリーダーシップ戦略

業界全体(広いターゲット)を対象とし、低価格で優位性を構築する戦略

 

②差別化戦略

業界全体(広いターゲット)を対象とし、製品やサービスの差別化で優位性を構築する戦略

 

③コスト集中戦略

特定の狭い市場(特定のターゲット)を対象とし、低価格で優位性を構築する戦略

 

④差別化集中戦略

特定の狭い市場(特定のターゲット)を対象とし、製品やサービスの差別化で優位性を構築する戦略

中小企業白書によると、全体としては、
1番目:「④差別化集中戦略
2番目:「②差別化戦略
をとる企業の割合が高いです。

これらの企業は、低価格で競争するのではなく、他社と差別化をして優位性(優れている点など)を構築しています。

 

■「特定の狭い市場」を対象にするメリット

1)特定の狭い市場に経営資源(ヒト・モノ・カネなど)を集中させることで、参入障壁を築きやすい
※参入障壁…ある業界に新規参入しようとする会社の、参入を妨げる障害のこと

2)量的に小さい市場を対象とすることで、必要な利益を獲得しにくい業界のリーダー企業は参入が難しい

 

2.差別化集中して利益アップ

競争戦略と営業利益率の関係をみると、「④差別化集中戦略」をとる企業の営業利益率が高い傾向にあります。


(出所:2020年版中小企業白書)

中小企業においては、ターゲットを特定の狭い範囲に絞り、シェアを獲得。また、競合と価格以外の点で差別化した製品・サービスにより、優位性を確保価格競争を避けて、利益を獲得できます。
ただし、「④差別化集中戦略」が絶対というわけではなく、自社の強みや競争環境を踏まえて、適切な戦略をとることが重要です。

 

3.成功事例

④差別化集中戦略」に着目して、成功した企業の事例をご紹介します。

 

1)「地域」を限定し、地域のニーズに即した事業展開やサービスの質向上に経営資源を集中する事例

・北海道東部を中心に、電装事業・通信事業を行う会社
・国内:他地域への進出は控える➡競争環境が厳しく中小企業では利益確保が難しいため
・国外:ミャンマーへ進出➡日系の競合が少なく、需要が見込め、採算がとれる
・「サービス業としての心構え」で差別化を図り、無理な価格勝負にも参入しないことを意識している


(出所:2020年版中小企業白書)

≪原文はこちら≫
2020年版中小企業白書(P.209)[PDF形式:42.8MB]

 

2)一般用途向けの量産品での低価格競争を避け、多品種小ロット品での差別化を目指す事例

・ビニール製品を製造する会社
・量産品への依存を脱却し、多品種小ロット・複雑な製品の受注を増やして技術を蓄積
・品質や独自性を売りにして、適正価格で受注可能になり、販売先も増やす


(出所:2020年版中小企業白書)

≪原文はこちら≫
2020年版中小企業白書(P.210)[PDF形式:42.8MB]

 

3)常に技術・ノウハウに磨きを掛けると同時に、自社で市場の裾野を拡大する取組や、築いた技術・ノウハウを基に新たな事業領域・事業分野に進出していく事例

・国内唯一の洋樽専業メーカー
・専業4社間で価格競争に陥る
・衰退産業と思っていたが、競合も少なく、磨き上げれば1番の強みになると気づいた
・洋樽の品揃え拡大や開発に成功し、高付加価値化できた


(出所:2020年版中小企業白書)

≪原文はこちら≫
2020年版中小企業白書(P.211)[PDF形式:42.8MB]

 

4.まとめ

成功事例をみると、できるだけ競争の少ない市場にて、高付加価値な製品・サービスで他社と差別化をして、利益をあげていると感じました。
中小企業において、競争戦略という視点が、新たな事業を考えるヒントになればとおもいます。