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愛知県の中小企業経営者が次世代への事業承継について早期に考えることの重要性

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中小企業や小規模事業者には、ながい時間をかけて育ててきた事業や、技術・ノウハウ設備などの貴重な経営資源があります。 これらの経営資源が、引継がれずになくなってしまうことは、企業にとっても経済にとっても大きな損失になります。 そこで、次世代の経営者へ、貴重な経営資源を引継いでいくためにはどうしたらよいのかについて、考えてみたいとおもいます。

1. 次世代の経営者

次世代の、新たな経営の担い手として、2つのタイプを考えてみます。 ①自ら起業して経営者になる「起業家」 ②事業を引継いで経営者になる「後継経営者」 新たな経営の担い手の推移をみてみると、全体として減少していて、「起業家」も「後継経営者」も減っていることがわかります。 では、それぞれの男女別の推移と年齢構成についてみていきます。  

「起業家」

起業家の男女別の推移をみてみると、女性のほうが年々増えています。 次に、起業家の年齢構成をみてみると、 ・男性、女性ともに49歳以下の割合が高い ・特に女性は、49歳以下の割合が、10年で62.3%→76.2%へ、大きく増えている ことがわかります。  

「後継経営者」

後継経営者の男女別の推移についても、起業家と同じように、女性のほうが増えています。 次に、後継経営者の年齢構成をみてみると、 ・男性は、経営者や会社役員に就任する世代である、60~69歳の割合が高い ・女性は、26~39歳の割合が高く、男性にくらべ若い世代が多い ・男性、女性ともに49歳以下の割合が増えている ことがわかります。 以上のように、経営の担い手全体としては、「起業家」「後継経営者」ともに減少傾向にあります。 そのなかでも、49歳以下の若い世代や、女性への引継ぎが増えているようですね。 今後、中小企業や小規模事業者の貴重な経営資源を引継いでいくには、「起業家」「後継経営者」を対象に考えていくことが大切なようです。  

2. 「起業家」について

起業を考えているひとの中には、副業での起業希望者が増えています。なかでも、技術や知識をいかすために起業をしたいひとは、必ずしも現職をやめたいと思っているとは限らないため、リスクを考えて起業を迷っているようです。 このことから、 ・起業に失敗しても再起しやすい環境 ・現職をやめずに副業として起業できる環境 など、環境が整えば、起業を迷っているひとの後押しができ、経営資源を引継いでもらえる相手が増える可能性があるようです。 また、事業のノウハウや顧客・販売先など、経営資源を引継いで起業したいと考えて起業の準備をしているひとが、約6割いるとの調査結果も出ています。  

3. 「後継経営者」について

「後継経営者」のうち6割超は、両親から経営を引継いでおり、従業員数1~5名の企業が4割を超えています。

≪事業を引継ぐポイント①≫

■積極的に事業を引継ぎたい「後継経営者」候補は、 ・事業がなくなると困るひと(取引先、従業員等)がいるから ・事業に将来性があるから と考えて、引継ごうとしているひとが多いようです。 ■事業引継ぎに消極的な「後継経営者」候補は、 ・事業の将来性 ・自身の能力の不足 に不安を感じて、引継ぎをためらうひとが多いようです。 ■以下のグラフを見ると、事業を引継ぎたい年齢は、事業拡大を考えているひとほど、早く引継ぎをしたいと考えていることがわかります。 このように、後継者になる可能性のあるひとには、早めに自身の能力を見極めて、引継ぐためにはどのような能力を身につける必要があるのかを、知ることができるようにすることが大切です。それにより、引継ぎを前向きに考えられるようになる可能性があります。  

≪事業を引継ぐポイント②≫

現経営者が、引継ぎをしていくうえで、「後継者に経営状況を詳細につたえること」に苦労する、と感じているひとが一定数います。 どの程度、後継者と引継ぎに関する会話をしているのかを調べてみると、5割以上のひとが「あまりしていない」「していない」と答えています。 次のグラフから、「日常会話」をしていないひとほど、「引継ぎに関する会話」もできていないことがわかります。 引継ぎする相手は、家族や社内などさまざまですが、まずは日常会話から始めることが引継ぎを成功させることにつながるかもしれません。 また、引継ぎに関して、1対1での対話がむずかしい場合は、第三者を交えて話し合うことも有効だと考えられます。  

4. 次世代経営者が、引継ぐ場合と引継がない場合のメリット・デメリット

次世代の経営者が、経営資源を引継ぐ場合と、引継がない場合における、メリットとデメリットの一例をみていきます。

「経営資源を引継ぐ場合(後継経営者)」

【メリット】 ・事業が軌道に乗っている 【デメリット】 ・求めていない経営資源まで引き継がざるを得ない場合がある ⇒事業承継特有の課題や不安を払拭できれば、むしろ新しい取り組みに挑戦しやすい環境になる可能性があります  

「経営資源を引き継がない場合(起業家)」

【メリット】 ・成約なく事業を展開できる 【デメリット】 ・ノウハウや技術など無形資産を作りあげるのに時間がかかる ・事業を軌道に乗せるまでのコストとリスクが大きい ⇒成し遂げたいことに必要な事業や経営資源を、他社が持っているのなら、一から作るのではなく他社から引き継ぐという選択肢もあります  

5. まとめ

いつかは必ずくる経営者の引退。 高齢化が加速している今、早急に対応する必要があります。 また、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、経済の先行きが不透明で、今後の経営について悩んでいる中小企業・小規模事業者のみなさん。 今だからこそ、次世代の経営者に需要のある、既存の経営資源を引継ぎ、有効利用してもらい、次世代の経営者に未来を託すことが重要になるかもしれません。 相談窓口として、 ・士業(公認会計士、税理士、弁護士、中小企業診断士等) ・金融機関 ・商工会議所、商工会 ・(公的機関)事業引継ぎ支援センター ・(公的機関)独立行政法人中小企業基盤整備機構 ・(公的機関)よろず支援拠点 などの支援機関があります。 まずは、相談してみることをおススメします。 今後も、中小企業・小規模事業者のみなさまに、お役に立てるような情報をお伝えしていきたいとおもいます。  ]]>

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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